カフェ・モンマルトル
カフェ・モンマルトル
カフェ・モンマルトル 026-223-6836秋の公園で落ち葉を眺めながら街の音を聞いていました。色々な思索が整理されていくようで、心地よい。眠りを誘うような温もりです。大人の日向ぼっこです。公園の日向ぼっこには騒々しい音楽や悩みの言葉などはいらない。街の音は昔の事を思い出させる。
「カフェ・モンマルトル」さんでランチ。古い蔵をリノベーションされている店内です。僕が長野に来た、長野冬季オリンピックの少し前ですね。オープンからもう20年以上経っているお店です。 1,200円のカレーセットとワイン。選べる組み合わせをナンにすれば、お酒がさらに進みます。カウンターでおひとりさまランチ。こちらのお店は路地裏にあります。初めての方には分かりにくいのですが、近くまでくるとスパイスの香りが漂っているので、表の通りからでも気づくかと思います。美味しいスパイスで作られているカレーです。外国の女の子がフロアの応対をされていて、日本語が機会的で素気ないのも可愛い。
蔵をリノベーションしたカフェですが、暗めの店内ながらも、凝った作りや懐かしいディスプレイが自身の感覚を楽しませてくれます。この日は大型ビジョンで、懐かしい洋楽PVが流されていました。ワインの酔いも相まって、ずっと魅入っていました。洋楽から海外の広い世界に憧れていた頃を思い起こします。そして海外の女の子のキュートさに心を奪われたものです。日本のクラスメイトの女の子達とは違って、みんなオーバーリアクションで可愛かった。
カフェ・モンマルトルさんで過ごす時間は、かつての夢見ていた自分を、今という軸から眺める時間になっている。この空間を使って自分を見つめ直すのがよい過ごし方だと思う。・・・僕は知っている。過去に戻れないのは当たり前だし、かつての自分に声をかけることも出来ない。・・・仮に、悪魔に魂を売っても過去に干渉してはならない。そんなことをしてしまったら、当時の自分も、今の自分も、決して幸福にはなれないからだ。
ドリアン、・グレイの肖像
【新品】ドリアン・グレイの肖像 新潮社 ワイルド/著 福田恒存/訳 価格:781円 |
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ドリアン・グレイの肖像
オスカー・ワイルド 1890
美貌の青年ドリアン。彼の理解者で画家バジルが描いたドリアンの肖像画もまた完璧なまでの美と若さに溢れていた。「若さがある間に楽しむのさ」ドリアンは快楽主義者のヘンリ卿の影響で次第に「悪行」の道へと突き進む。舞台女優シヴィルと婚約するが、平凡な女優に成り下がったと幻滅しシヴィルを捨ててしまう。ドリアンは肖像画が醜くなっていたのを見て驚く。シヴィルは自殺をする。それを知ったバジルはドリアンに肖像画に変わったことは無かったか、と問い詰める。図星を突かれたドリアンは醜くなった肖像画を屋根裏部屋に隠す。そして肖像画を見て気づく。やがて自分は老いていきこの美貌を失うのだ、と。「永久に若々しいのが僕で、年老いていくのがこの肖像画だったら!・・・そのためなら・・・僕の魂でも投げ出してもいい!」彼の美しさは変わらなくなった。何年経っても若さも衰えない。悪魔に魂を売ったのだ。肖像画は、少しずつ醜悪なものへと変わっていく。彼の悪行が増すにつれて、彼の心が醜いまま、犯した罪は永遠に肖像画に残るのである。二十年もの間に数々の人々を傷付けてきたドリアンは、罪に慄き、懺悔と魂の安らぎを求め、過去と決別する為にこの肖像画を抹殺しようと決心をする。ナイフを手に持ち、肖像画のある屋根裏部屋へ向かう。
・・・悲鳴を聞き駆け付けた人々が見た光景は・・・
人間としての精神を捨ててしまった者の心は決して幸福にはなれない。本当の幸せを見つけることも出来ない。まして。良心を知らずに人々の為に本当の善行など出来る訳がないのだ。
罪を犯す度に罰を受け入れる・・・それが己の為になる。
心の成長への道なのだ。人生だ。
ドリアンは罰を肖像画に閉じ込めていたといえる。
罪の多さ=罰の多さ・・・ということか。
永遠の若さなんて幸福には関係ない。
「ほんたうのしあわせ」
・・・そういうことか。
再び カフェ・モンマルトル
お会計をお願いしたら「1,200円です。」
カフェ・モンマルトルさんで浄化された僕の心に「悪魔」はいない。
「違うよ。ワインも飲んだから。」
女の子の見開いた目がキュートで「いけないっ!」の心の声が聞こえた。
焦って電卓を叩いて、計算するまでの心拍数上昇もわかった。
お釣りを乗せたトレイを僕に差し出した時の笑顔・・・。
全てが「オーバーリアクション」
・・・やっぱり外国人って可愛いな。
昔に思い描いた通りだ。
「幸福」ってこうゆうこと。
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