・・・・・
・・・・・
序
《序》
「山」
と或るカフヱに飛びこんで
何はさて熱い珈琲を
一ぱい大急ぎ
女が銀のフオークをならべてゐる間も待ちかねて
「自分達の仕事」
それは一つの巣をつくるやうなものだ
ああ自分達もあの鳥とおなじだけれど
鳥にはあのやうな翼がある
自分達には何があるか
・・・・・
・・・・・
☕️【Rondinella】
☕️【Rondinella】
長野市篠ノ井有旅6408-1
カフェタイム。仕事の合間に訪れました。2022年1月にオープンの素敵なお店です。開店当初よりInstagramを賑やかにしていて、いつかと思っていました。ここは山の斜面。ランチタイムにテラス席で過ごされたお客様たちと入れ替わるように。僕は店内に座りました。テラス席はそろそろ風が強くなる、陽も翳り始める時間です。
盛り合わせ+ドリンク
🧀とろけるバスク 〜カーサ・デ・フォンデュ〜
🍨ジェラート
🍹アイスコーヒー
3種のチーズがミックスされているケーキ。複雑な味わいと滑らかな食感。苺ソースと共にいただくことで、甘酸っぱい酸味も口に広がります。美味しい。いつか、ワインと共にいただきたいです。店内はずっと僕ひとり。ひとりきりでワインを楽しむ空想をしながら、掃き出し窓越しに展望を楽しんでいました。詩人になったように思う。はるかに見える道路を見下ろすと気分が良くなります。高い空から自身を俯瞰しているようです。僕ら人間は空を飛ぶことができないから、覗き込むだけ。巣の中から見下ろしているツバメの雛のよう。
《店名の「Rondinella」は、イタリア語で「可愛いツバメの雛」の意味。》
古来から人間がツバメが好き。だから詩人はたとえによくツバメをつかう。
・・・・・
・・・・・
📗『風は草木にささやいた』
📗『風は草木にささやいた』
山村暮鳥 1918
📎
山村暮鳥は1884年(明治17年)〜1924年(大正13年)詩人、児童文学者。自由詩社に入り詩壇に登場。情調的な象徴詩から前衛詩に転じ、晩年は平易な表現の人道主義的作風になった。詩集に『聖三稜玻璃』(1915年)、『風は草木にささやいた』(1918年)、『雲』(1925年)など。
「郊外にて」
・・・つばめはそのなかをとんでゐる 人人もそこに棲むのをよろこんでゐる・・・
「風の方向がかはつた」
・・・どこからともなくとんできた 一はのつばめ燕は 街の十字路を直角にひらりと曲つた・・・
「雨の詩」
・・・街がひつそりしづかになると 雨はからりとあがつて さつぱりした青空にはめづらしい燕が飛んでゐた・・・
「消息」
・・・たかいあの青空をわたる風だから 時時すういと突刺すやうにつばめなんどを飛ばせてよこす・・・
📎
山村暮鳥は、辛く貧しい幼少期を過ごしますが勉学に励み、15歳にて小学校の教員になります。以降も勉学を続け、人々の幸福を考える日々を送るようになっていきます。キリスト教の勉強とともに,山村暮鳥は短歌や詩の創作にも心がひかれ、短歌の創作に打ち込こみ,次第に詩や童話の創作も行うようになります。その後、各地で牧師の仕事をしながら文学活動を展開しますが、結核を患って教会での牧師の仕事を休まざるを得なくなってしまいます。収入の道は途絶えがちになりますが、貧しいながらも妻子と共に幸せな生活を送りました。ですが、その幸せな生涯は短い。40歳で亡くなりました。
・・・・・
・・・・・
想うこと
🪁🍃🍂✨
「Rondinella」さんにて。
美しい自然と素敵なものに囲まれて、自分はさみしく考えている。
人の幸せを願うことは善いことだ。
我の幸せを願うことは更に善いことだ。
人を幸せにすることは、できるかもしれない。
自分を幸せにすることは、大切であるが容易でない。
・・・鳥にはあのやうな翼がある
「雨は一粒一粒ものがたる」
・・・雨は一粒一粒ものがたる
・・・人間のかなしいことを
・・・生けるもののくるしみを
・・・そして燕のきたことを
🪁🍃🍂✨
———-
コメント