【カレーショップ山小屋】/『魔の山』

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カレーショップ山小屋

🍛【カレーショップ山小屋】

https://maps.app.goo.gl/GjmbHNA5May6ucj68?g_st=ic

🍛さばたけカレー

🍷ワイン

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1973年創業の老舗カレー店です。期間限定の「さばたけカレー」をいただきました。とても美味しい。長野市に来て早々に訪れた思い出があり、懐かしさと相まって、店内の雰囲気に時間を預けてしまいます。変わらない味を守られているオーナーさんは、親族間継承ではない3代目。2代目オーナーさんも親族間継承ではなかったので、この「カレーショップ山小屋」さんは、街がお客様の為に繋いでいる存在なのだと思います。素敵なことですね。

変わらない店内を見回すと、山関連の写真や小物に溢れています。今はネットメディアで情報を得ることができますが、そこから得るモノは少し薄い。人々が何年にも渡って育てられた空間にあるモノの方が「憧れ」が強くなる。叶う、叶わない、の想いに耽ることができる。

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お店のテーブルには「何でも書いてみま帳」があります。もう何冊になっているのだろう。訪れた人々が楽しいイラストや気持ちを飾らない言葉で書き込んできたもので、心が詰まっている。きっとこれもお店の宝物であって、大事に受け継がれていく。書き込みには、不安や希望が混ざり合った「憧れ」が所々見受けられる。

・・・「憧れ」は複雑なカレーのスパイス配合のようだね。そして「思想」のようだ。これらに関わる人は、人間性が追求され、精神的成長も遂げていく。

🏔️如何なる思想においても極端に傾かない。

🏔️常に認識の冒険を重ねながら対立を超越する。

🏔️善意と愛を堅持するためには思想を死に委ねてはならない。

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魔の山

魔の山 下 (新潮文庫 マー1-3 新潮文庫) [ トーマス・マン ]

価格:1,155円
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感想(1件)

📕『魔の山』

トーマス・マン 1924

第一次世界大戦の始まる7年前、若きエンジニアで平凡な青年カストルプは、スイスのダヴォスにある国際療養所に、肺を病む従兄弟を見舞う。山の上の療養所に漂う雰囲気は、何か投げやりで下界とは全く異なっている。

カストルプは、ここで数々の特異な人物出会う。西欧の楽観的進歩主義を奉ずる人文主義者で文明の文士セテムブリーニは、啓蒙的で道徳的である。禁欲的なジェスイット(イエズス会)の僧ナフタは、テロと独裁による共産主義的な神の到来を唱えている。初源的な愛を教えるロシア夫人ショーシャ。本能的感情生きる傑物ペーパーコルン。

療養所は生と死との中間に存在する閉ざされた世界であった。カストルプはハンブルクの富裕な商人の息子で、早くから両親を失い、祖父の薫陶のうちに長じていた。思考や判断の支えとなっている精神的基盤は市民倫理に生きた祖父の面影を追っているものである。カストルプは魔の山で、知識欲と素直な疑いの心を持ちながら様々な思想に触れて、人間性を追求していく。また雪山での遭難体験は、死は破壊と解体する力であると同時に、死が存在を生み出す力であると覚える。カストルプにとって魔の山での時間は地上の時間の推移とは異なった基準で流れていた。七日間の滞在予定は、いつしか7年にわたってしまう。折から地上の世界では第一次世界大戦が勃発する。生への愛を全うするため、カストルプは山を下り戦場へと赴く。

🏔️如何なる思想においても極端に傾かない。

🏔️常に認識の冒険を重ねながら対立を超越する。

🏔️善意と愛を堅持するためには思想を死に委ねてはならない。

カストルプは祖国のために戦場に赴くが、その姿が戦いの場に倒れたのか、或いは未だ生を得ているのか、作者は教えてくれない。

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想うこと

🍛🏔️🍷✨🍛🏔️🍷✨

人が歩ける程の小さな路地にある「山小屋」さん。此処は決して狭いところではない。訪れた人々によって、ずっと大きな思想の世界が広がっている。外とは違う時間が流れている。・・・店から出た後に、小さな路地から出た後に、街から出た後に・・・、どういう道を辿っていくのかは、自分次第だ。

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ご機嫌よう-

君が生きるにしろ死ぬにしろご機嫌よう!

君の今後の見込みは良くない。

・・・

この世界的な死の祭典からも、雨に濡れた夕空を焼きこがしている悪性の熱病のような猛火からも、いつの日か愛が生まれてくるであろうか?

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山小屋 画像

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