【Cafe bosso】/『真田太平記』

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Cafe bosso

https://maps.app.goo.gl/L42G91zUPxxh8chb7?g_st=ic

☕️【Cafe bosso】

長野県上田市中央1丁目3−6

🥪サンドイッチ(フル)B.L.T

☕️アメリカーノ

🧀チーズケーキ

☕️

歴史ある上田市。上田駅お城口から北へ向かってすぐ、旧北国街道沿いにあるカフェです。青色の外装は、歴史を感じる通りにありながら、街並みに溶け込んでいます。「Cafe bosso」さんの青に引き寄せられドアを開けました。店内は無機質的な空間ではなく、柔らかで温かみを感じます。ボリュームのあるサンドイッチをいただくことができます。もちろんカフェスイーツやクリームソーダなどもあり、過ごしていた間は、自分以外は女性客でした。みなさま、素敵なBGMと豊かな時間が流れる店内で、のんびりと過ごしていかれていく。自分もそのうちのひとり。美味しいサンドイッチとコーヒーで、今の時間を楽しんでいる。

☕️

「cafe」で、今を過ごしながら、「城下町」の歴史を振り返る。そして、コーヒーに包まれた空間で、戦国時代の情景を思い浮かべる・・・。「青」を眺めて「赤」を思う。青いクリームソーダ越しに通りが見える。赤い甲冑を身につけた武者が見えた、という想像は許される。

この世界にある様々な「両方」を見つめて想いに耽る。

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真田太平記

【中古】真田太平記 <全12巻セット> / 池波正太郎(書籍セット)

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感想(1件)

📕『真田太平記』

1974〜1982 週間朝日 連載449回。

池波正太郎

「昔も今も、人間のあり方というものが、それほど違っていないことに気がつくのだ。と同時に、ひとつだけ大へんに違っていることも出てくる。それは「死」に対する考え方である。」(中略)「戦国の世の人たちは天下統一の平和をめざし、絶えず「死」と「生」の両方を見つめて生きている。ここのところが大分違うのである。そこにテーマが生まれてくる。」

落城寸前であった。もはやこれまでと覚悟を決めていた左平次は妖艶なお江に導かれ、敵の包囲網から脱出する・・・。物語は1582年3月、甲斐の国の高遠城が、織田・徳川の連合軍によって包囲され、武田家の滅亡が決定的になった時から始まる。周囲の名だたる戦国大名が織りなす勢力図に翻弄されながらも、信州の小さな領国を守る真田家の命運を基調に物語は進行していく。豊臣秀吉と徳川家康との間では、父子、兄弟が敵と味方に分かれることになる。関ヶ原や大坂の陣を通して、お江をはじめとする草の者と甲賀忍びの凄絶な暗闘が繰り広げられるのも、物語の重要な因子となっている。「真田太平記」には実在した人物と池波正太郎が創り出した登場人物が、虚実ないまぜて数百人に及ぶ。様々な生と死が描かれて、そこに権謀、怨念、忍従、忠誠、功名、愛憎、など、人間が持つ性と業、欲望と本能も表裏が余すところなく表白されている。

🏯

「おれと、お前とは、いつの日か、いっしょに死ぬるような気がしてきたぞ」

左平次は、耳をうたぐった。

はじめは、何をいい出したのかとおもった。

すると、重ねて源二郎が、

「死ぬる日よ」

と、いうのだ。

・・・「真田の庄」新潮文庫 1巻

🖌️

かつて人々が「生」と「死」を同時に見つめていた時代がある。作者の想像で架空の物語であっても、涙を流さずにはいられないのは「死」に触れるから。心が揺り動かされざるを得ないのは、「生」を感じているから。物語から「両方」を見つめることができたからである。・・・「生」も「死」も、それぞれに「過去」と「未来」を持っている。物語はそれらを様々な形で繋げることができる。

🏯

右手に槍をつかみ、左腕に亡父の形見の抱角の兜を抱えて歩む幸村の前に、ささやかな池があらわれた。

(ここでよい)

槍を手放して、両腕に兜を抱えた幸村が草の上へ腰を落とし、

「あっ・・・」

おもわず、おどろきの声を発した。

(さ、左平次・・・)

まさに、向井左平次がいた。

・・・「血戦」新潮文庫 11巻

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想うこと

🏯📕☕️✨🏯📕☕️✨

☕️

「Cafe bosso」さんから北へ向かってすぐのところに「池波正太郎真田太平記念館」があり、西へ徒歩十分ほどのところに「上田城」があります。この青いカフェで色々な「両方」を見つめることができていたなら、その先の未来で「両方」を繋げることもできるかもしれない。人々が願う「生」を感じられるかもしれない。・・・歩いて行ってみよう。

☕️

「大坂夏の陣」で真田源二郎信繁(幸村)の最期を描く「血戦」は、何度読み返しても、泣いてしまう。泣きながら「生」と「死」は繋がっているのだと、自身の心が受け入れています。コーヒーの香りとともに。

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(さ、左平次・・・)

まさに、向井左平次がいた。

左手の木陰に、左平次は顔をこちらへ向け、横たわっていた。

「佐平次・・・佐平次・・・」

何度も、よびかけた。

向井佐平次は、こたえぬ。

左平次は、すでに息絶えていた。

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Cafe bosso 画像

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