【hanatoki】/『カンディード、あるいは楽天主義説』

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新年は大きな暗いニュースから始まりました。

別所温泉の「北向観音」さまへ手をあわせます。

別所温泉(七苦離の温泉)。平安時代中期の女流作家、清少納言によって書かれた「枕草子」にある「湯は七久里の湯、有馬の湯、玉造の湯」という一節の中の「七久里の湯」が起源ではないかという説があります。人間の宿命「七苦」から離れられるという温泉。七苦とは、生、老、病、死、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦の事です。

北向観音様は北向に建立され 千手観音様を御本尊として現世利益を願い、また善光寺様は南向きに建立され阿弥陀様を御本尊として未来往生を願います。現在と未来の片方だけですと片詣りと言われおり、向き合ってる両方をお詣りしたほうが良いと言われるようになりました。

🗒️メモ

「如来」(5尊〜)悟りを開いているグループ。

「菩薩」(7尊〜)悟りを求めて修行しつつ人々を救うグループ。

阿弥陀如来 極楽浄土に導く役割 脇侍は勢至菩薩・観音菩薩

観音菩薩 人々の願いに応じて33の姿に身を変えて人々を救う。

勢至菩薩 智恵の光をつかさどり、その光で人々を照らし救う。

☕️【hanatoki】

☕️【hanatoki】

長野県上田市別所温泉1717−5

お正月です。別所温泉にある「北向観音」へ。

この近くにあるカフェ「hanatoki」さんに立ち寄りました。「年ノはな市」として小さな初売りマルシェ。Instagramでお見受けするお名前がちらほら。マルシェとお正月の賑わいが合わさって沢山の人で賑わっていました。時間を見つけてまた来よう。今日はテイクアウトで外でのんびりと。お店に入ってすぐ目についた植物のオーナメント・・・この「手仕事感」、すぐにわかった。最近別のカフェで見かけたから・・・。オーナーさんと少し話ができました。ほんの少しだけ。お仕事のお邪魔をしてはいけない。小さなカフェですが、見どころがたくさんあります。

「hanatoki」さんの空気感は好みです。リノベーションされた空間、インテリア、コーヒー、甘いもの、どれもオーナーさんの優しい「手仕事感」が伝わってきます。僕は色々なカフェを訪れて物想いに耽っていますが、この「手仕事感」が好きなのだ、と再認識。素敵なカフェはオーナーさんの心が映っている。日々の仕事とその成果の中に、ささやかな幸福を見出しているように・・・。コーヒーの味わいのような深いお話もまたいつかの機会にと思います。

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📕『カンディード、あるいは楽天主義説』

📕『カンディード、あるいは楽天主義説』(Candide, ou l’Optimisme)

ヴォルテール 1759

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1755年11月1日、ポルトガルの首都リスボンを大地震と津波が襲いました。

西ヨーロッパの広い範囲で強い揺れが起こり、ポルトガルリスボンを中心に大きな被害を出しました。津波による死者1万人を含む、5万5,000人から6万2,000人が死亡、推定されるマグニチュードはMw8.5〜9.0の巨大地震であったと考えられています。

この未曾有の災害はポルトガルの衰運を加速させただけではありません。この自然の猛威は、神によって世界は最善に創られているという世界観を揺さぶり、カント、ルソーなどの思想家に大きな影響を与えました。この『カンディード、あるいは楽天主義説』は、同じくこの災厄に衝撃を受けたヴォルテールの代表作です。人を疑うことを知らぬ純真な若者カンディードが苦難に満ちた旅をしながら人生の意味を考える、という小説です。本作でカンディードがリスボンで遭遇する大地震の場面は、リスボン大地震に基づいています。カンディード(作者)はライプニッツの楽天主義に疑問を抱きます。

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地震が与えた衝撃はヨーロッパの精神にもおよびました。当時の通俗的な理解では、災害とは自然現象というより神罰でした。しかし、多くの教会を援助し、海外植民地にキリスト教を宣教してきた敬虔なカトリック国家ポルトガルの首都リスボンが、なぜ神罰を受けねばならなかったのか、なぜ祭日に地震の直撃を受けて多くの聖堂もろとも町が破壊され、善人も悪人も罪のない子供たちも等しく死ななければならなかったのかについては、18世紀の神学哲学では説明の難しいものでした。

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生、老、病、死、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦・・・乗り越えても乗り越えても苦難は続く。ついにカンディードは楽天主義と訣別せざるを得ないことを自覚します。

楽天主義とは、どんな悲惨な目に遭おうとも、この世の全ては善であると、気の触れたように言い張ることなのだ!

カンディードは労働こそ人生を耐え得るものにする唯一の方法であることに思い至り、日々の仕事とその成果の中に、ささやかな幸福を見出すようになります。

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想うこと

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お正月休みが終わります。これからもっと手を合わせる機会も増えていく。

辛くとも前向きになるためには、いま自分ができることを考えて行動すること。何事にも頑張っていくことだと思うのです。

「数々の不幸や災厄に見舞われなければ、今の幸福もなかったのだから・・・」と誰かが言うかもしれません。その通りです。でもこれは「人生はこんなもの」という希望のない慰めの言葉です。・・・カンディードは人生を諦めない。前を向く。

「なるほど、その通りです。けれども、私たちは、畑を耕さなければならないのです。」(Cela est bien dit, mais il faut cultiver notre jardin)

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