【重澤珈琲】/『家なき娘』(ペリーヌ物語)

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重澤珈琲

重澤珈琲
https://maps.app.goo.gl/H4xYYDmSG8KFgxKh9?g_st=ic

☕️【重澤珈琲】

上田市中央二丁目12-30

(「上田映劇」内にあります。)

店内の写真撮影は一枚だけです。お気をつけください。

上田市には見所が多くあります。街自体がコンパクトなので、どの施設もお店も「街中に・・・、街の中心にある・・・、」と説明できる。上田市の街中は、城下町らしく、複雑に入り込んでいます。細い道幅、一方通行やクランクなどの上田城の守備計画の名残を見て取れる街並みです。パーキングに駐車すれば、ある程度の所へは徒歩で巡ることができます。・・・ですから、仕事の合間に珈琲をいただくこともできたりする。

「重澤珈琲」さん。とても小さなお店ですが、シンプルゆえにオーナーさんのセンスを窺い知る事ができます。店内の調度品や飾りつけ、小物、カップ・・・。そして、ネルドリップで淹れた珈琲が美味しい。街中にある上田映劇の中にあります。珈琲を飲みながら、古き良き映画の世界を感じるもよし、上田の街を歩いて歴史を感じるも。そして、何も考えなくても。色々な過ごし方ができそうです。

さて、何を思い浮かべよう?

🖌️

上田市は、養蚕業が盛んで、特に明治期においては、日本の主力産業であった繭の重要な供給地で、世界の養種(蚕の卵)の中心地でした。蚕関連の会社も多くありました。街中の上田市立上田図書館の駐車場の緑地帯に、市指定天然記念物の「桑の木」があり、大切に保存されています。この上田市が養蚕業で盛んであったことの証です。其処彼処にある蚕関連の資料館巡りも面白い。そして街中には信州大学繊維学部があります。明治43年(1910)設立の旧制上田蚕糸専門学校を前身とする日本唯一の繊維学部です。上田市が世界と繋がっていた時代に思いを馳せて。珈琲一杯の間に「幸せに暮らせる社会になったのかな?」なんて考えてみる。

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📗「家なき娘」

エクトール・マロー

1893年に新聞連載。本来の題名「En famille=家族と共に」

日本では主人公の名より「ペリーヌ物語」

(1978年にアニメ化)

ペリーヌは、フランス人を父、インド人を母に持つ少女で。祖父のヴュルフランは7,000人が働く紡績工場を経営する新興起業家。もとから良くなかった祖父と父の関係は、父のインド人との結婚で絶縁状態となっていた。それでもペリーヌの父は、祖父との関係を回復しようと試み、インドからフランスを目指して馬車で妻子を連れて帰国の途につく。しかし、旅の途中で父は病死、パリ到着後に母も病死してしまう。母は死の直前に「あなたが人を愛すれば人はあなたを愛さずにはいられなくなります。そうすればあなたの不幸は終わります。」とペリーヌに言い遺した。ひとりぼっちになったペリーヌは、祖父が住む町に苦労の末に辿り着く。ペリーヌは、祖父のことも祖父の心中もわからないため、オーレリイという偽名を使って紡績工場で働き始める・・・。

祖父ヴェルフランは白内障のため目が見えず、偏屈で頑固、孤独な老人であった。誰にでも警戒する冷徹な心をほぐしていったのは、ペリーヌだった。ヴェルフランは病院や託児所、独身寮、家族向けの住宅、そしてカフェ、バー、レストラン、売店、さらに公園、遊園地などの施設を建設して自分の紡績工場で働く労働者の福利厚生に尽力する。ペリーヌの献身的で真摯な姿勢がヴェルフランを変えていったのだ。施設を地域住民に開放して地域社会に対しても大きな貢献を進めていく。ヴェルフランは多くの人々から感謝されているという充実感を得られるようになった。ペリーヌのおかげである。上下両極端な生活環境を見てきたペリーヌだからこそ、工場労働者に温かな眼差しを向けられたのである。

ペリーヌとヴュルフランは生まれ変わっていく街を眺める。ヴェルフランは語る。この街の景色そのものががペリーヌの作品であり、ペリーヌとこの「作品」のために力を尽くす良き夫はきっと見つかるだろうと。

そして、言う・・・。

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想うこと

☕️📗🖌️✨📗☕️🖌️✨

上田市。歴史のどこを切り取っても面白い。近世では、人々が文明開花や鉄道開通に目を輝かさせた時代がある。新しい風を取り入れた洋装の人たちがカフェを楽しんでいただろう。苦しい時代には映画などの娯楽が人々の心を慰めただろう。工場労働者が幸せを求めて賑わった街中。今、この時代は、古き良き時代の面影と風景の中に、大学生が溶け込むように馴染んでいる。みな、時代を超えた家族のようだ。

映画館にあるカフェ、そこで出される珈琲は、僕に色々と教えてくれる。

変わっていく景色と変わらない光景。

「そして、私たちは幸せに暮らします・・・家族と共に(en famille)」

・・・ヴェルフラン

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重澤珈琲 画像

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