喫茶Sirafu
☕️【喫茶Sirafu】
長野市横沢町726
喫茶Sirafu(しらふ) 080-1075-2863天気がいい日。風が強い日。
善光寺に「御守り」をいただきに来ました。僕の心はまだまだ到らないから、思いやりを形に、「御守り」という形にして託そうと。
平日のお昼時ですが、そこそこの人出です。今、善光寺では、ある「御守り」が人気。問い合わせの声「侍ジャパンのはどれですか?」「入荷待ちです。」が繰り返されています。陳列箇所に「おひとりさま2個まで」の案内札。落ち着いたら、それもいつか買ってみよう。
天気はいいけれど、風が強い日。
善光寺から少し歩いたところにある「Sirafu」さんでランチ。好きなお店です。
🍕ミートソース・ピザトーストセット
☕️コーヒー
🍋れもんケーキをテイクアウト
とても美味しくいただきました。ありがとうございます。
オーナーさま、出入りする人々、お客様たち。
それぞれの個性が随所に見受けられるカフェです。
感性に溢れた場所は、其処彼処に様々な心が見える。
僕にも、人に見せることのできて、埋もれてしまわないような、
特別でいて普通な、正直な心があるのだろうか。
単板ガラスの音。ガタガタと、風が通り抜ける毎に響きます。
青空が映るガラス窓から外を見下ろし、神社の木々を眺める。
風が神社の銀杏の木を大きく揺らしている。そして少し遅れて、風がこちらにやって来る。見えないけれど、風の通り道が見える。音が聴こえるからだ。もし音のない世界となっても、風が持つ質感を感じ取る事ができたなら、道は見える。それすら無くなった世界なら・・・「風の歌」を聴けばよい。
縦にも横にも広がっているこの世界で、行ったり来たりしている僕達の心は、風のよう。形では見えない。辿ってきた道は、周りが動いていたから見えるのだ。未来の道は、音が聴こえなくても、質感を感じ取ることができたなら、きっと見えるのだ。見えないものを。
もし、虚無となり喪失感で溢れてしまった心では、どうすれば。
通り過ぎる僕達の心は見ることができるのか。
・・・「風の歌」を聴くにはどうすれば?・・・どうしたらいい?
・・・・・
風の歌を聴け
価格:1,430円 |
『風の歌を聴け』
村上春樹 1979
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「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」
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🖌️
1978年に20代最後の年を迎えた僕は、アメリカの作家ハートフィールドに思いを寄せ、書くことの困難さを認識しながらも、1970年の夏休みの体験を語り出す。
・・・
「嘘だと言ってくれないか?」と真剣に求められても訂正できなかった。
嘘が嫌いで嘘をつけない人間。正直に語ることはひどくむずかしい。
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🖌️
僕は21歳。東京の大学三年生。今は街に帰省し退屈な夏を友人の〈鼠〉とジェイズ・バーでビールを飲んで過ごしている。ある晩、小指のない女の子が店で酔いつぶれていたところを部屋まで運んであげたことで、彼女から卑劣漢と誤解される。ラジオのDJからの電話で思い出せられた、高校時代の女友達から、借りっぱなしのまま無くしてしまったレコードを買いに行った店で、小指のない女の子と再会し、やがて親しくなる。
・・・
僕が正直になろうとすればするほど、正確な言葉は闇の奥深くへと沈み込んでいく。
心に思うことの半分しか口に出すまいと決心した。
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🖌️
冬に街に帰ったとき、小指のない女の子はレコード屋を辞め、アパートも引き払っていた。・・・現在の僕は結婚し、東京で暮らしている。〈鼠〉はまだ小説を書き続けている。毎年クリスマスに彼の小説のコピーが僕のもとに送られる。
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🍕☕️🍋✨🍕☕️🍋✨
喪失感は埋められない。虚無の風は吹き続ける。
あらゆるものは通り過ぎる。
誰にもそれを捉えることはできない、と認識する。
その中で書くこと、書き続けること。
そのことでこそ、
風の歌を聴くことは果たされる。
🍕☕️🍋✨🍕☕️🍋✨
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