【しなのアートカフェ】/『ユリシーズ』

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しなのアートカフェ

『しなのアートカフェ』

しなの Art Cafe 026-217-8846
https://maps.app.goo.gl/rez1eTtpYNAYQUn57?g_st=ic

長野市箱清水1-4-14

長野県立美術館3F

定休日:水曜日

OPEN 10:00~ CLOSE 15:00

(ドリンク10:00~  フード11:00~)

たまごサンドセット

コーヒー(HOT)

長野県立美術館にあるカフェです。3階にあるので景色もよく、善光寺を望むことができます。長野県産の素材を使用したメニューはどれも魅力的。今回は「たまごサンドセット」です。美味しい。のんびりと過ごさせていただきました。こちら「ソフトクリーム」も魅力的。Instagramの中で青空に映える写真を見る事ができます。僕は、もう少し暖かくなってから頂こうと思います。美術館の館内を一通り巡った後、屋上のカフェへ向かうルーティーン。芸術に触れてからのカフェは、とても心が豊かになります。

長野県立美術館は、国宝・善光寺本堂に隣接する長野市の城山公園にあります。

①郷土にゆかりのある芸術家の作品

②「自然」や「自然と人間」をテーマとした近現代美術作品

③日本及び海外の重要作品

④作品と美術資料のコレクション。

館内は自由に入れる無料ゾーンが充実しており、誰もが気軽に訪れることができる公園のような「開かれた美術館」となっています。

・・・長野県の芸術世界を知ることができます。ですが・・・。

「ここに来れば分かる」という世界。そこには、なかなか辿りつく事はできない。自分自身の精神世界と、時空が大きく関わるからだ。成長しなければわからない事もある。誰かと一緒に訪れて分かる事もある。散々歩き回っても、その日、その瞬間でなければ、心に再現可能な投影を残すことができない・・・こともある。

「ユリシーズ」を思い浮かべる。

ユリシーズ

ユリシーズ(全4巻セット) (集英社文庫) [ ジェームズ・ジョイス ]

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【ユリシーズ】

ジェイムス・ジョイス 1922

舞台はダブリンの街の通り、家、店、新聞社、パブ、病院、売春宿、学校などであり、時は1904/06/16の1日の出来事を扱っている。この日はジョイスが生涯を共にすることになるノラ・バーナクルと初めてデートした日を記念して設定されたが、研究者の間では「ブルームズデイ」として知られる。

主要登場人物

「スティーブン」22歳作家志望の青年。

「マリガン」25歳の医学生、スティーブンの友人。

「ブルーム」38歳。「フリーマン」紙の広告取り。

「モリー」33歳。ブルームの妻。

「ボイラン」モリーの愛人。

小説は大きく3部に分けられ「テレマキア」(1〜3挿話)「ユリシーズの放浪」(4〜15挿話)「ノストス」(16〜18挿話)の全18挿話から成り、「オデュッセイア」(ホメロス)の3部構成と平行関係にある。

「1」テレマコス

「2」ネストル

「3」プロテウス

「4」カリュプソ

「5」食蓮人たち

「6」ハデス

「7」アイオロス

「8」ライストリュゴネス族

「9」スキュレとカリュプディス

「10」さまよう岩々

「11」セイレン

「12」キュクロプス

「13」ナウシカア

「14」太陽神の牛

「15」キルケ

「16」エウマイオス

「17」イタケ

「18」ペネロペイア

1904/06/16 

この非常に限られた時間の中に、ジョイスは様々な事柄を詰め込みました。この作品の難解たる所以です。ジョイスはアイルランドに生まれました。国を出てヨーロッパ中を転々と彷徨い、その途中で英語の教師をしています。スイスやイタリアで英語の教師をしながら、頭の中では英語とアイルランド語で思索をし、話す相手の各国の言葉を受け入れるという多言語的状況を生きていました。

1904/06/16

この1日のなかに、各章ごとに違う文体で、およそありとあらゆる文学的な手法を駆使して書き上げています。神話的な人の心の言葉と動き。ヨーロッパ全ての思想の言葉と動き。

アイルランドという特別な国。(ヨーロッパの1番隅っこにあって、隣のイギリスにずっと虐められてきて、アイルランド語という母国語も殆ど失ってしまった国。)

物語や小説で大切なことは「場」「世界」「登場人物」です。

そこに過去の再考と未来への予想を汲む時間の経過、所謂「ストーリー」が構造を支えます。

この「ユリシーズ」は「ストーリー」を大事にしていない。

1904/06/16 ジョイスはこの1日だけに全てを詰め込んだ。「場」も「世界」も「登場人物」もはっきりとしている。ですが、たった1日の事ながら、それが逆に「ストーリー」を不明なものとしている。何もかも書き尽くしているようで、小さな時間の空白をあえて作って重大な事柄を描いていない。読み手側にはわざと隠されているように感じさせている。

この小説を理解するには、時空を越えなければならない。

1904/06/16 たった1日の世界へ。

想うこと

・・・・・

最終挿話

「18」ペネロペイア

・・・

モリーの意識の流れを、ピリオドが2つあるだけの8つの長い節と混乱した文法で表現する。唐突に「Yes」で始まり、「Yes」がしばしば差し挟まれ、「Yes」で終わる。

・・・

僕にもそんな1日があったのだろうか。

僕を成り立たせている特別な、

「Yes」で終わった1日が。

(and yes I said yes I will Yes.)

しなのアートカフェ 画像

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