【MUSE】/『夫婦善哉』

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【MUSE】

【MUSE】

Restaurant MUSE chez shige

長野県中野市大字竹原1885-4

lunch 12:00~14:00

dinner 18:00~20:00

定休日 火曜日

青空と秋色の高社山がきれい。

フラリとお邪魔しました。

夫婦で営まれているフランス料理店です。一日二組の宿泊ができる宿でもあります。コース料理を明るい時間にいただくことができます。中野市でも街から離れた場所にあり、ここに辿り着くまでに葡萄畑の間を抜ける場所があります。駐車場はあるのですが、時間も気持ちの余裕もあったので、少し離れた場所から夜間瀬川沿いをあるいてきました。長野電鉄の線路があり、川には鉄橋が架かっている。高社山麓には色付く葡萄畑と林檎。

・・・本の中で思い描くフランスの田園風景のようです。「ジョルジュ・サンド」の『フランス田園伝説集(1858)』みたく。

「コースA」。料理の野菜は自家製。この季節の陽の暖かさが伝わるようです。主菜は肉か魚を選択します。パン、かぼちゃのスフレ、人参のスープ、牛頬肉、黒胡麻のブリュレ。どれも美味しい。コース料理は色々味わえる。甘さ、旨み、風味も。そして待つ時間さえも。調理場でのご夫婦の会話もBGMのように思えます。小さなお店ならではの、この程よい距離感が良いのでしょうね。窓の外の景色を眺めて、様々な想いが巡ります。この地のこと、料理のこと、暮らしのこと。次回、もっとのんびり過ごせたなら、オーナー夫妻さんに色々聞いてみよう。

「夫婦で仲良く」っていいな。

美味しい料理の世界を作っている。

そのために、お互いに寄り添っている。

『夫婦善哉』

『夫婦善哉』

織田作之助 1940

柳吉

「こ、こ、ここの善哉は何で、二、二、二杯ずつ持って来よるか知ってるか、知らんやろ、こら昔何とか太夫ちゅう浄瑠璃のお師匠はんがひらいた店でな、一杯山盛にするより、ちょっとずつ二杯にする方が沢山入っているように見えるやろ、そこをうまいきと考えよったのや。」

蝶子

「一人より夫婦の方が良えいうことでっしゃろ」

年中借金取りが出入りする一銭天麩羅屋。その娘の蝶子は芸者に出るが、化粧品問屋の若旦那で妻子を持つ柳吉と駆け落ちする。柳吉は何をやっても中途半端で、黒門市場や飛田大門通りの路地裏を移り住み、剃刀屋、関東煮屋、果物屋などの商売をするが、いずれも長続きしない。しっかり者の蝶子は柳吉を一人前にしたいと世話を焼く。だが柳吉は蝶子が貯めたお金を持ち出しては放蕩する始末。身内に無心しては芸者を揚げて散財していた。柳吉は寝たきりだった柳吉の父へ、見舞いとちょうこと正式な夫婦になれるよう頼む、と実家へ帰るも蝶子へは来るな、と言う。柳吉の父が亡くなり葬式も終えるが、柳吉は一月ほど行方をくらます。借金をして放蕩していたのだった。一月ぶりで蝶子のもとに戻った柳吉は、法善寺境内の「めおとぜんざい」へ蝶子を誘う。

ふたり仲良く法善寺で『ぜんざい』をすする。

「晴れて夫婦」

「めをとよきかな」

「夫婦善哉」

お店の外で「にゃんこ」のお見送り。気持ち良さそう。僕もここで眠りたい。

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