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「・・・昭和三年四月四日、農山漁村の名が全部あてはまるような、瀬戸内海べりの一寒村へ、若い女の先生が赴任してきた・・・。」
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🥗【kitchen vicky】
🥗【kitchen vicky】
長野県中野市中野1785−1
🥗ガパオライス
🍎りんごのクランブルチーズケーキ
☕️コーヒー
中野小学校の南側にあるお店。子供達の声が聞こえてきそう。
訪問が2時過ぎになってしまい「コーヒーとケーキだけでも」と思っていたのですが。・・・しかも3時から取材があるという。初見である自分だけのために、ささっと「ランチメニュー」を作っていただきました。ありあわせではなくて、キチンとしたプレートです。す・・・すごい。しかも美味しい。優しい心、ありがとうございます。許可をいただいて、撮影させていただきました。いい雰囲気です。好きな空気感・・・、ん?、何か感じるもの、繋がるものがあるような・・・。
「kitchen vicky」さん、毎週水曜日に市役所で「お弁当」を販売されていらっしゃいます。そちらも美味しそう。いつかいただいてみたい。「お弁当」は人を幸せにするものだとおもいます。小学生のお弁当の思い出は、歳を重ねる毎に、深い郷愁を誘うものです。「kitchen vicky」さんを見つけて、その背後に小学校を確かめた時「アルマイトの弁当箱」がすぐに浮かびました。「ふたに百合の花の絵」がついている「マッちゃん(松江)」の弁当箱・・・。
・・・優しい心に触れると、泣きたくなるのです。今日は名作から。
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📙『二十四の瞳』
📙『二十四の瞳』
壺井栄 1952
洋服を着て自転車で通勤する若いおなご先生と、十二人の新入生の物語。
十二人・・・二十四の瞳。
- 大石久子 「おなご先生」18年後は「泣きミソ先生」
- 加部小ツル 18年後の歓迎会に参加。
- 片桐コトエ 病死。
- 香川マスノ 18年後の歓迎会に参加。
- 川本松江 18年後の歓迎会に参加。
- 木下富士子 家が没落し消息不明。
- 西口ミサ子 18年後の歓迎会に参加。
- 山石早苗 18年後の歓迎会に参加。
- 相沢仁太 戦死。
- 岡田磯吉 18年後の歓迎会に参加。
- 森岡正 戦死。
- 竹下竹一 戦死。
- 徳田吉次 18年後の歓迎会に参加。
子供たちの作った落とし穴に落ちて、アキレス腱を切って自宅療養する大石先生の遠い家まで、親に内緒でなきべそをかきながら見舞いに行く一年生たち。
「どうしたの、いったい」、「先生の顔みにきたん。遠かったあ」「みんなでやくそくして、だまってきたん、なあ」「一本松が、なかなか来んので、コトやんが泣きだしたところじゃった」「せんせ、一本松、どこ? まだまだ?」「足まだ痛いん?」 笑っている先生の頬を涙がとめどなく流れていた。
・・・先生はよろこんで、記念の写真をとろうといい、近所の写真屋さんをたのんで、一本松まで出かけた・・・。
登場人物のひとり《松江》。
「あの、お母さんが起きられるようになったら、アルマイトの弁当箱、買ってくれるん。ふたに百合の花の絵がついとる、べんと箱」
・・・彼女へその弁当箱を買ってあげたのは大石先生。「お母さん」は起きられなかったのである。
・・・18年後、大石先生の歓迎会に《松江》が来た。
「・・・わたしはもう先生の前に出られるような人間ではありませんけど、でも、たとえどんなにけいべつされても、わたしは先生のこと忘れませんでしたの。あの弁当箱、今だって持ってますから、大事に」
🖌️・・・
戦争を挟んで、18年後、歓迎会に来たのは七人。皆で「一本松の記念写真」を見つめる。写真の中は二十四の瞳。今、二十四の瞳は、十四・・・ではない。戦争が磯吉の瞳を奪っている。瞳は「十二」である。だが、磯吉にはこの写真だけは見えている。
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「目玉がないんじゃで、キッチン。それでもな、この写真は見えるんじゃ。な、ほら、まん中のこれが先生じゃろ。その前にうらと竹一と仁太が並んどる。先生の右のこれがマアちゃんで、こっちが富士子じゃ。マッちゃんが左の小指を一本にぎり残して、手をくんどる。それから──」
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想うこと
🍎☕️✨🍎☕️✨
3時からの取材とは「お弁当」からの繋がりだそうです。店内が六人になった。・・・(十二の瞳)・・・良い写真が撮れたかな。お店を出て歩き出したら「とある方」からメッセージ。すぐにお店に引き返して、不思議な繋がりをお伝えしました。「瞳」が増えた。「優しい心」は連鎖する。オーナーさんと僕の瞳は輝いていたはず。そして、優しい心に触れると、泣きたくなる。
・・・《松江》が歓迎会に「弁当箱」を持ってきた。ここから物語が閉じられるまでの数行は、どの小説より涙が溢れる。
🍎☕️✨🍎☕️✨
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