【Cafe GAUCHE】/『生々流転』

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☕️【Cafe GAUCHE】/

☕️【Cafe GAUCHE】

カフェ ゴーシュ

🍰タルト・オ・フリュイ

🧁コーヒー・ウォールナッツケーキ

🥃ホットラム

雨降りの土曜日。雨がやまない午後。鉄道路線のガード下。

その近くにあるゴーシュさんへ訪れました。街の片隅にある小さなcafeですが、いつも賑わっているお店です。通りから傘越しに覗いてみて、席に誰もいない。あれっ、売り切れて営業終了かな、と思いましたが電気は点灯している。僕はちょうど隙間時間に入り込んだらしい。おひとりさま、好きな席へどうぞ。素敵な空間で、甘いものと温かいラム酒。BGMと相まって、癒されます。扉を開けて良かった。

・・・先に言うと、帰り際にお話ができてよかった。Instagramの世界で共通の友達がいること、その方関連の僕の投稿を読んでいただいていたこと・・・。ありがとうございます・・・。

ここは、いつも女性が多くて、会話が弾んでいる空間です。同じ空間にいて同じものをいただいていますが、過ごし方が女性と男性では違って見える。たとえ恋人同士で向かいあっていても・・・だから時間の長さではないのです。女性同士、おひとりさま女子は特別な空気をみて取れる。僕ら男性にはその空気感は出せないし、そもそも女性のことがわからない。人生の憂愁も不安も苦悩も同じであるはずなのに、女性は泣いて笑って、それらを乗り越えていくチカラがある。墓場のない世界に向かっていくチカラがある。そこに「恋心」は必要ない。・・・ここが男性と違うところなのだと思う。「恋心」に夢を見ているのだ。男性は。

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📘『生々流転』

📘『生々流転』

岡本かの子 1940

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遁れて都を出ました。鉄道線路のガードの下を潜り橋を渡りました。わたくしは尚それまで・・・袂の端を掴む二本の重い男の腕を感じておりましたが・・・だんだん軽くなりました。代りに自分で自分の体重を支えなくてはならない妙な気怠るさを感じ出しました。これが物事に醒めるとか冷静になったとかいうことでしょうか。

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蝶子は丘陵地にある学園に通う少女。園芸助手の葛岡や資産家の池上に慕われるが、彼らからは、それは恋というより、彼らに足りない「いのち」のちからを蝶子に求めてのことだった。葛岡と交際していた体操教師の安宅は、彼との関係を拗らせて故郷へ戻ってしまった。蝶子はこれを追った。安宅は「実はあなたのような少女になりたかった。」と蝶子に打ち明け、蝶子の目の前で氷結した湖に姿を消す。自分も迷いが深いのに、なぜこのように人から願われるのだろう、と悩んだ蝶子は、確執のあった母の死をきっかけに家を出て、偽乞食となり彷徨っていく。大きな河の流れに添って、くだっていくように。

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運命は河の流れ。河は下流に行くほど豊かになる。蝶子は様々な人と触れ合い、「生」を充実させていく。だが、その「生」はいずれ「死」を迎える。

「河」はついには海に至る。寄せては返し、返しては寄する浪。

永劫尽くるなき海の浪。

・・・蝶子は海に至る。

岡本 かの子(1889年3月1日 – 1939年2月18日日本大正昭和期の小説家歌人仏教研究家。芸術家・岡本太郎の母親。

19歳の夏、父と共に信州沓掛(現長野県北佐久郡軽井沢町中軽井沢)へ避暑、追分の旅館油屋に滞在した。同宿の東京美術学校生を通じて岡本一平と知り合う。21歳の時、和田英作の媒酌によって結婚、京橋の岡本家に同居するが、家人に受け入れられず2人だけの居を構える。翌年、長男太郎を出産。赤坂区青山のアトリエ付き二階屋に転居する。

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想うこと

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甘いものに癒されて、ラム酒で気持ちが良くなってきた頃、お客様が立て続けに入ってきました。女性同士、おひとりさま・・・。そろそろ行かなきゃ。

空気に染まって「女子力」が上がってしまう。

僕には「恋心」が必要なので・・・なんてね。

「墓場のない世界──わたくしが川より海が好きになって女船乗りになったのはそれからです。」・・・蝶子。

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