Sunday Life Coffee
Sunday Life Coffee 090-7170-2735Sunday Life Coffee
長野市立図書館南側
こんにちは。ゆっくり投稿。
サンデーライフコーヒーさんで、美味しい休憩。
ハムチーズのホットサンドとコーヒー。
コーヒーの香りが考えごとを助けてくれます。
貝殻の空洞のような、小さな小さなお店ですが、
思慮が深くなれば、時間も空間もひろがります。
不思議で素敵な「cafe」です。
「ひろがって」から、大学生の女の子達が三人入ってきました。
本当に不思議。
災いが多く不安定な世の中ですが、そんな事に配慮なく時間は進む。
夏休みが近づいてきています。
淡路島(兵庫県)で育ったからか、夏になると、
暑さが記憶を呼び起こす。
長野県に海はありませんが、
たまに潮の匂いと海の音を感じるのです。
東山魁夷が著書「風景との対話(1967)」の中で述べられています。
「神戸で幼少期を送り、よく須磨の海で泳いだり、淡路島で夏を過ごした私は、海に親しむ機会に恵まれていた。夜明けの空が水平線の近くで茜色に染まり・・・(中略)・・・。少年の私は海の風景を観察していると言うよりは、海と私との鼓動が一つになっていたに違いない。」
耳
価格:1,001円 |
『 耳 』
ジャン・コクトー
堀口大学 訳
私の耳は貝のから
海の響をなつかしむ
ジャン・コクトーは二十世紀の初頭から半世紀以上にわたって、
芸術のあらゆる分野で前衛的な活動をした人です。
その活動の根底には、いつも「詩」がありました。
この作品は
『Poesies 1917-1920』
“Cannes”と題して収められた六つの短章の五番目のものです。
富豪の子であったコクトーは、少年時代に南仏のリゾート地で家族とともに、
毎冬を過ごしていました。その思い出が作品の元になっています。
(・・・「耳」という題は堀口大学がつけたもの・・・)
原文
Mon oreille est un coquillade
Qui aime le bruit de la mer.
直訳
「私の耳は貝殻で、海の騒がしい音を愛する」
堀口大学は「騒がしい音」を「響」と訳し、
さらに「愛する」を「なつかしむ」と訳しました。
これにより、堀口大学の訳詩は一挙に(原詩以上に)時間と空間をひろげました。
しかも訳詩は、完全な口語体でありながら、日本の伝統的な七五調で、
心地よく耳と心に響きます。
たった二行の詩。
心に響く秘密は比喩にある。
ひとつは形の上から耳を貝殻に譬える。
もうひとつは・・・。
空洞のなかにある、昔懐かしい海の響き、
すなわち故郷の記憶・・・。
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