【ワイン食堂Stand】/『真珠夫人』

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ワイン食堂Stand

ワイン食堂スタンド

長野市南石堂町1279-4 センタープラザ3F

急遽、午後に休めることになって、用事もあったので駅前近辺へ出かけました。そして歩きながら見上げた「stand」さんの窓に灯りが見えたのでフラリと入店。ワインでも。

🍷赤ワイン ウィスキー樽で保管、スモーキーな味わいが面白い。

🧀キッシュ サーモンとほうれん草の二種。ワインに合う。

週末と違って、平日の、こんなときは少量で重めなものがよい。

ワインもキッシュも美味しい。いつも有難うございます。

窓から見える空からは、雨の予感がします。傘を忘れてきた。

映画のように街が煌めく時間になる前に帰らないと。

世の中は動いている。気持ちを落ち着かせすぎると、

空想の世界に逃げ込んでしまいそうだから、早く帰ろう。

現実に少しの雨でも、人は濡れる。

現実の時の流れは、人を傷つける。

変わらない、傷がつかない「何か」を心に持っていたいものです。

真珠夫人

真珠夫人 (文春文庫) [ 菊池 寛 ]

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感想(3件)

真珠夫人

菊池寛 1920

貴族院議員唐沢男爵の令嬢「瑠璃子」は相思相愛の恋人杉野直也と別れ、金と奸策で父を苦境に追い込んだ戦争成金の貿易商荘田勝平の後妻となる。勝平には知恵遅れの勝彦という息子と清楚な美奈子という娘がいた。瑠璃子は荘田家に嫁いでも貞操を守り、勝平を寄せ付けない。勝平はどうにかして、と葉山の別荘に誘う。嵐を衝いて勝平は暴力で瑠璃子に迫るが、突如現れた勝彦に襲われ命を落とす。

結婚生活の無いまま未亡人になった瑠璃子は、その時以来別人のように荒んでしまう。瑠璃子は天性の美貌と富で社交界に君臨し始める。その聡明な機知と自由奔放な所作は多くの青年を魅了し、瑠璃子は自分を慕うそうした青年達の心を弄ぶのであった。

「男性は女性を弄んでよいもの、女性は男性を弄んでは悪いもの、そんな間違った男性本位の道徳に、妾(わたくし)は一身を賭しても、反抗したいと思っていますの」

・・・・・真珠のような美貌の瑠璃子。

この「真珠夫人」は、新しい風俗としての自動車、別荘などを背景に置き、現代社会の資本家の悪を描きだす一方で、男性中心の制度や思想を、新しい女性「瑠璃子」に批判させている。そして、男を弄ぶ女でありながら、義理の娘を妹のように愛し、初恋の相手を想い続けていた「瑠璃子」の真実の姿が明かされる。・・・この作品が人気を集めた理由でした。今日に至るまで度々ドラマ化されています。

・・・・・

美奈子は、その写真を見たときに、母の本当の心が判ったように思った。母が、黄金の力のために偽の結婚をしたときも、美しき妖婦として、群がる男性を翻弄していたときにも、彼女の心の底深く、初恋の男性に対する美しき操は、汚れなき真珠の如く燦然として輝いていたのであった。

・・・・・

想うこと

雨に打たれても良かったかな、と思いつつ。

古い作品ですが「真珠夫人」を書き込んでみました。

たまに考える。「瑠璃子」の言葉。

「自分の生活丈を自分の思い通にしようとするものは、利己主義ではない、他人の生活をまで、自分の思い通にしようとするものこそ、本当の利己主義だと、ある人が申しましたが、貴君などこそ、本当の利己主義でいらっしゃいますわね。」

僕は「真珠夫人」に言い返す事も出来ず、逆に虜になってしまう。

きっと現実だ。

平日の一杯のワインが、それを教えてくれる。

次回は、ゆっくりして空想に浸りたい。

ワイン食堂Stand 画像

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