Cupid.R
🍷【Cupid.R】
長野市南石堂町1266
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こんにちは。
午前中は中野市の高社山への登山。
午後は待ち合わせも兼ねて、街中へ。
この日は3時からオープンのCupid.Rさん。
ひとり慰労会です。美味しいものとワイン。
🍷赤ワイン
🧅タマネギのバター乗せ
🫕豆腐のグラタン
🍅トマトとアスパラガス
明るい時間からの素敵なひとり飲み。
のんびり、まったり。オーナーさんと折々でお喋り。
色々とお話しができて嬉しかったです。
美味しい時間を有り難うございます。
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「そちら、気になるようでしたら止めてもいいですよ・・・。」
ワインセラーの上で、丸いサーキュレーターが働いていました。
「いえいえ、隣に誰かがいるようで安心します・・・。」
カウンターにいる自分一人の為に風を送ってくれている機械。
高さ三十センチくらいの丸い球体が、一人の女性のように感じたのです。
「・・・可愛いですよね。」とオーナーさん。
どこかで聞いたことがあるような、風に混ざった心地良い声。
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日々、いい事も悪い事も繰り返してやってくる。それは特別なことでは無い。
これが「日常」なんだな、と気付かせてくれるのが、自身の楽しみの時間だ。それは人それぞれのものであって、大人はカウンターで過ごす時間だったりする。
楽しみの時間は色々なことを気付かせてくれる。
悲喜交々を教えてくれる。
・・・けれども未来の選択の正否になると、
「知らない」って言う。
本当にそっけない。
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『処刑』(星新一ショートショート)
ようこそ地球さん (新潮文庫 ほー4-2 新潮文庫) [ 星 新一 ] 価格:825円 |
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📘『処刑』(星新一ショートショート)
星新一 1959初出
「ようこそ地球さん」1972・収録
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『そうそう、そんな調子でいいのよ。もっと、飲みたいんじゃないの。』
『あたしを、置いて行くつもりじゃないでしょうね。』
『早くボタンを押したら。』
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未来社会で生き続ける主人公は、機械に左右される人生に耐えかねて、衝動的に殺人を犯してしまう。そして機械によって行われる裁判で死刑となり、地球から遠く離れたかつての植民地の星へ送り込まれる。砂漠が広がる世界に主人公を降ろした宇宙艇は、直径三十センチの「玉」と乾燥食を残して地球へと戻っていった。この「玉」はこの星で唯一の水を作ることのできる機械であり、同時に処刑装置であった。ボタンを押すとコップ一杯の水が出る。乾燥食を水に溶かせば食糧となる。処刑地で生き延びていくためには、この玉のボタンを押せばよい。ただし、この玉は、一定回数のボタンが押されると、瞬時に爆発して周囲三十メートルの物を吹き飛ばす。その時まで何度ボタンを押せばよいのかは分からない。
主人公は、乾きに耐えきれず、苦しんだ末に死を覚悟してボタンを押す。水が出た。これから、このように死の恐怖を何度も味わうのだ。玉を壊そうとしたり、別の死刑囚を脅してみたりしても、全て失敗におわる。
この繰り返しの毎日。ついに恐怖と絶望が頂点に達して、主人公はとうとう絶叫する。そして、気がつく。人生とは、毎日ずっと死の可能性が潜んでおり、選択をしながら過ごしている。ボタンを押す行為は、日常生活で行なっている選択行為と同じである、と。
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『あたしがいるのに、つまらないことをかんがえないでよ。』
『そばにおいてくれるの。』
『元気がなくなったのね。』
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想うこと
🍷📘🪩✨🍷📘🪩✨
・・・
Cupid.Rさんにて想いに耽る。サーキュレーターを「可愛い」と言ったのはオーナーさんだけど、本当は、それは空耳で、風に乗せて送られてきた機械自身の声だったのかもしれない。もしそうなら、ワインに酔った僕は、機械相手に悲喜交々を語りながら、楽しい時間を過ごしていたのだ。
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何でも教えてくれる機械。
それでも、やっぱり。
未来の選択の正否になると、
「知らない」って言う。
「可愛い機械」は、本当にそっけない。
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『目がさめたの。同じことじゃないの。』
『やっと、気がついたのね。』
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🍷📘🪩✨🍷📘🪩✨
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