【スナックめぐみ・ネオンホール】/『陰翳礼讃』

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スナックめぐみ・ネオンホール

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🥃【スナックめぐみ・ネオンホール】/📗『陰翳礼讃』

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💎「我々東洋人は何でもない所に陰翳を生ぜしめて、美を創造するのである。」

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🥃【スナックめぐみ】

🍆茄子の揚げ浸し

🍈瓜と茗荷のお漬け物

🍙きのこの小さなおにぎり

飲み物はハートランドで。

どれも美味しかった。素敵なカウンター飲み。

「スナックめぐみ」さんへの入店は、重い扉を開くのではありません。

ノックの必要がありません。・・・寧ろ、ノックができない。

階段を上がり、黒生地の袖幕から入ります。

場所はネオンホールのカウンター、劇場内です。

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💡【ネオンホール】

長野市鶴賀234

ネオンホールはライブ、アート、演劇、映像作品からお笑いまでボーダーレス、ジャンルレスで個性的かつ独自性の高い表現者を支援するアートスペース。最大60名前後を収容する木造のスペースです。

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本の世界で知る、演劇の世界、舞台の世界。

現実に存在する、関わる人達、繋がる人達。

ハートランドを片手に、眺めさせていただきました。

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ネオンホールには、陰翳が其処彼処に見受けられる。

窓にカーテンを引き、照明を落とせば、闇の世界になる。

影や闇というものを味わうことは追憶なのか。

翳りに美意識を感じるのは、幻想なのか。

一人きりなら、光は、己の心にだけ存在する。

その他大勢の人達がいるならば、光はお互いに感ずることができる繋がりになる。

💎僕の光は、キラキラしているだろうか。それとも、トゲトゲしているだろうか。

💎他人の光を温かみを持って受け入れることができるだろうか。

・・・なんて素敵な。暗闇は乱雑ながらも美しい世界だ。

陰翳礼讃

陰翳礼讃 [ 谷崎潤一郎 ]

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感想(4件)

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📗『陰翳礼讃』

谷崎潤一郎

1933〜1934 連載

1939 刊行

谷崎潤一郎は東京では洋風建築の家に住んでいました。関東大震災をきっかけに、関西に移住します。自ら設計に関わり、和洋中を混在させた新居「鎖瀾閣」を神戸市に建て、古典回帰の作品の執筆を進めていきます。生み出す作品は洋から和へ意識が移行していき、そして次の転居先にて「陰翳礼讃」が書かれました。この後「源氏物語」の現代語訳に取り掛かります。

美は物体にあるのではなくて、物体と物体との間にある明暗にあるもの、と語る。西洋の文化では部屋を明るくして陰翳を可能な限り消そうとする。しかし、我々日本人は陰翳を愛しました。建築だけではなく、食器、食べ物、化粧、生活に関わるもの全て。また、芸術面でも、能や歌舞伎の衣装の色彩感覚にも陰翳が活かされている。日本人は陰翳の濃淡を考慮して、「美」を作り出してきたのです。

谷崎潤一郎は、日本人が失いつつある「陰翳の世界」を文学の世界に呼び返したく・・・。

壁を暗くし、見え過ぎるものを闇に押し込め、無用の室内装飾を剥ぎ取り、試しに電灯を消したそんな家(文学)が一軒くらいあってもよかろう、と。「陰翳礼讃」を締め括る。

想うこと

🥃💡📗✨🥃💡📗✨

さん、素敵な夜をありがとうございました。

静かな話し声や笑い声。袖幕が上がるたびに響く明るい声。

音の世界にもコントラストがあり、耳をすませば楽しいことばかり。

「スナックめぐみ」の世界。

スナックで働く女性は美しい光を心に持っている。

そこに惹かれて集まる人達も美しい光を持つようになる。

惹かれた僕は、陰翳に美意識を感じて生きて行きたく思う。

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谷崎潤一郎は、女性が一層に美しさを増す世界を日本芸術から考察している。

やはり其処にも「陰翳」がある。

・・・文楽の芝居では、女の人形は顔と手の先だけしかない。

昔の女と云ふものは襟から上と袖口から先だけの存在であり、他は悉く(ことごとく)闇に隠れてゐたものだと思ふ。・・・闇の中に住む彼女たちに取っては、ほのじろい顔一つあれば、胴体は必要がなかったのだ。

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💎夜の「ネオンホール」+「スナックめぐみ」。

💎暗い翳りのなかで、ぼんやりと鈍い光が浮き上がってくるような美しさ。

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🥃💡📗✨🥃💡📗✨

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スナックめぐみ・ネオンホール 画像

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