【たっ平】/『居酒屋兆治』

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🍺【たっ平】

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🍺【たっ平】

長野市鶴賀権堂町2388

平日休み。美容師さんにクルクルにしていただいて(ちょっとだけ色気づいた)、お誘いを受けた方々と待ち合わせ場所へ向かう。4時過ぎでしたが、この明るい時間から営業している居酒屋さんがあるという。Google mapsを見るとよく知る通り。それでもわからない。居酒屋さんなんてあったっけ?・・・お店の前で皆さんとばたりと合流。挨拶が先か、お礼か、お店を見つけた嬉しさが先か、わからない。「笑うしかない」ってこういうことなんだ、と思った。

居酒屋「たっ平」さんへ。カウンターには、もうすでに常連さん達がいて出来上がっていました。多分みんな仲良くなれる空気感。大好物です。常連以外の見知らぬ僕らがなだれ込んできたので、大将が動揺しまくりで面白かった。・・・わかりますよ。僕も、ついさっき同じシチュエーションを体験した。「笑うしかない」・・・

相撲中継で盛り上がる。初見知りでも、明るくいじり合って笑いが止まらない。「綺麗なお姉さんは大将の愛人?」、厨房から湯気が上がるだけで「肌に良い!」、人参が丸ごと置かれて「うさぎかよ!」・・・。

居酒屋って面白い。僕も昔はよく訪れた。美味しい飲み方を覚えた。懐かしい。居酒屋って明るいうちは「笑うしかない」世界だと思う。・・・でもね。僕は。

夜が更けていくと、居酒屋は「泣いてもいい」という世界になることをも知っている。誰かが、胸のうちを聞いてくれる。そして僕は、そのお返しをすることも覚えた。色々な人が集まる居酒屋。・・・カウンター内にいる大将が羨ましい時がある。

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📗『居酒屋兆治』

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📗『居酒屋兆治』

山口瞳 1979

東京郊外の小さな町にある「居酒屋兆治」。店主の本名は藤野伝吉だが、客は皆彼を兆治と呼ぶ。彼は若い頃はプロの野球選手になることを期待される程の腕を持っていた。しかし、倒我によりその夢を諦め、サラリーマンとして生きてきた。上司とのトラブルに悩んだ彼は、職を辞し、幼い頃から住む町にカウンターだけの小さな店「兆治」を始める。そこに集まる客は、昔からこの町に住む顔なじみばかり。野球仲間、親友、そしてサラリーマン時代の同僚たち。兆治が様々な思いを秘めてカウンターに立つように、訪れる客たちにも悲喜交々な出来事がある。そんなある日、開店前の時間に一人の影ある女が訪れた。遠い昔、お互いに思いながらも別れてしまった「さよ」だった。彼女は地元の裕福な家に嫁いだが、兆治のことが忘れられないままいたという・・・・。

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想うこと

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誰かと誰か。出逢いも別れも。見つめることができる。けれど未来は見えない。

作者の山口瞳は池波正太郎との対談にて「現代社会の中で善人は生きられるか」をテーマにしたと語っている。

外はまだ明るい。「しんみり」するのはまだ早い。

引き戸が開いて、またひとり常連さんが入ってきた。・・・見た目、強烈なインパクトをお持ちのおじさん。「笑ってはいけない」のルールが発動する。人を見て笑うなんて本当に失礼なことです。ごめんなさい。でも隣の方がぼそりと

「長野ではなかなか見られない・・・」

(デデーン🎵BGM)

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