【NAGAKURAYA】/『私の軽井沢物語』

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NAGAKURAYA

NAGAKURAYA 0267-44-4055
NAGAKURAYA · 〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉333−1 北佐久郡北佐久郡軽井沢町長倉333−1
★★★★☆ · カフェ・喫茶

NAGAKURAYA

〒389-0111 

長野県北佐久郡軽井沢町長倉333−1

春の知らせが、毎日送られてきます。

物憂げな毎日ですから、小さな春の知らせでも心が安らぎます。

避暑地である軽井沢のトップシーズンは夏期。この季節を楽しむ方々への配慮で、「7/25〜8/31」までは工事自粛期間となっています。そこを避けるために関連する業界は、それぞれに忙しいスケジュールを立てます。まだ春まで遠い軽井沢では枝払いのチェーンソーや工事車両の音が其処彼処から聞こえてきます。美術館や資料館、カフェ、レストランなど、冬季休業が多い施設がありますが、工事や掃除などのオープン準備をされている。この風景も軽井沢らしい。熊が冬眠から覚めるよう・・・。

「NAGAKURAYA」さんへ。

熊のロゴが可愛い。

ハンドドリップ 深煎り

のんびりと過ごさせていただきました。ありがとうございます。店内にはドライフラワーや雑貨、そしてクラフトチョコレート、お菓子などが並んでいます。素敵な店内です。曜日によっては焼菓子もありますので是非。チェック後に訪れてみてください。軽井沢に本当の春が来たら、太陽浴びるテラスでのんびりと過ごしたい。

こちらのお店は軽井沢でも南方面にあります。「軽井沢タリアセン」(塩沢湖)の近くで歩いていける距離です。この辺りも好きな風景です。塩沢湖には「思い出のマーニー(スタジオジブリ)」のモデルとなった「睡鳩荘」があります。

この「睡鳩荘」は、昭和6年にW.M.ヴォーリズの設計により建てられ、帝国生命や三越の社長をつとめた朝吹常吉の別荘であったのち、常吉の長女でありフランス文学者でも有名な朝吹登水子が夏場を過ごすための山荘としてこの建物を引き継いで使用しました。

朝吹登水子訳「悲しみよこんにちは(サガン)」は大好きな小説です。一年のうちに何度読み返すだろうか。・・・そして、同じく一年のうちに何度も手に取る本があります。軽井沢を感じる一冊。

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【私の軽井沢物語】

〜霧の中の時を求めて〜

朝吹登水子 1985

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「私が這いはいをしながら人生を進み始めたのは軽井沢の小坂別荘である。父は簡素で良風の軽井沢が大変気に入り、大正九年(1920)に別荘を買ったので、私は子供時代と少女時代を兄たちと毎夏ここで過ごすことになる。」

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朝吹登水子は実業家「朝吹家」の生まれ。両親は彼女の為にはロンドンで小学校の先生をしていたミス・リーを家庭教師として雇う。その影響で軽井沢でイギリス風の日々を過ごす。

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「「大正十二年九月一日」ミス・リーを囲んで彼女が呼んで聞かせるイギリスの本に耳を傾けていた。そのとき、ドシンと地面が下から持ち上げられる震動を感じた。だんだん東京大震災のニュースが軽井沢にも伝えられ、碓氷峠から東京の大火が見えるというので、町の人たちは峠に登って行った。」

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皇族、華族、財界の人々が描かれている。徳川喜和子(徳川慶喜公の長男の次女)、白洲正子 、有島暁子 ・・・輝ける女性たち。そして当時の有名なテニスプレーヤー、安宅登美子、原田武一・・・。

朝吹登水子がテニスに夢中になっていた頃、追分(軽井沢西部)では、福永武彦、中村真一郎 加藤周一、白井健三郎・・・などがいた。朝吹登水子が書き記している。

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「(彼らは)戦争について考え、人間について考え、文学について考えていた。戦争中、憲兵の目が光っていた監視つきの軽井沢で、私がこれら優秀な青年たちと知り合っていたなら、強い心の支えと知的な刺激を得ていただろう。」

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夢のような日々は過ぎ去り、次に軽井沢を訪れるのは「疎開」として。

戦前、戦中、戦後と物語は描かれている。

「私の軽井沢物語」の終盤は、軽井沢を愛した人々の戦死の記録となってる。

戦争が終わり、平和ふたたび・・・とはいえ。

GHQが行った政策の財閥解体で朝吹家の財産は手放されていく。

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「高原の強い太陽のもとで、テニスや、ゴルフや、自転車や、乗馬や、山登りに愉しい幼年時代と青春を送った青年少女たち。嬉々としたその姿が、霧の中から、私の想い出の中から、浮かび上がる。」

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朝吹登水子さんの「私の軽井沢物語」は写真もレイアウトされていて、かつての風景に思いを馳せることができます。軽井沢の地形や交通、歴史的な出来事、人々の暮らしぶりなどが窺える記録書でもあります。

ですが、読み込むと軽井沢で過ごした朝吹登水子さんの心情が垣間見える。

・・・憂いに満ちた青春の思い出。太陽の下の記録。

「悲しみよこんにちは」の登場人物である17歳のセシルを。

なおのこと、身近にさせる。

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NAGAKURAYA 画像

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