【ルビーの靴】/『ノンちゃん雲に乗る』

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ルビーの靴

ルビーの靴(かき氷・つぼやきいも)
ルビーの靴 · 〒380-0821 長野県長野市鶴賀上千歳町1137−2
★★★★★ · コーヒーショップ・喫茶店

【ルビーの靴】

長野市大字鶴賀上千歳町上千歳町1137−2

月〜金 ☀️11:30-15:00(L.O 14:30)
     🌙17:00-21:00(L.O20:30)
土日祝  11:30-17:00 (L.O 16:30)

色々なタイミングが重なって、ようやく訪れることができました。素敵なお店でカキ氷。春らしく「桜もち」。ピンク色が可愛い。お店の扉(以前お見受けしたキッチンカーも)もピンクで、イメージカラーの世界に飛び込んだような感覚です。書棚にある「不思議の国のアリス」のカバーもピンク色。

こちら「ルビーの靴」さんの店舗は2022年6月にオープンされました。すぐに人気店になりました。早々に伺ったのですが、席がいっぱいで入店できませんでした。以前「ポルカドットカフェ」さんで営業されていたり、キッチンカーもお見受けしたり、アイビースクエア前にいらっしゃるのも通りすがりで。そんな時も見ていたのですが、タイミングが合わず頂く機会を逃していました。今回、ようやくの「ルビーの靴」さん。とても美味しくいただきました。ありがとうございます。ピンクの世界でピンクの「桜もちカキ氷」。

・・・女の子って「ピンク色」が似合う。不思議な色、素敵な色。

・・・日本ではピンクは「桃色」。日本の児童書は「桃」の世界。

児童文学作家「石井桃子」さんへと思索をつなげてみる。

ノンちゃん雲に乗る

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『ノンちゃん雲に乗る』

石井桃子 1947

・・・ノンちゃんは、小学二年生になる女の子。泣きながら神社の境内へやってきたノンちゃんはひょうたん池の上へ枝を伸ばしたモミジの木へ登り、誤って池へ落ちてしまう。・・・

物語はここから空想の世界に入ります。気が付くとノンちゃんは雲の上に乗っていて、そこには白いひげのおじいさんがいます。雲のおじいさんとのやりとりを通して、ノンちゃん一家の明るく健全な生活が描写されています。

戦時中、ひそかに書き続けられたといわれるだけに、ノンちゃん一家のあたたかな家庭に平和への思いが込められました。この作品は「がくぶち」形式と呼ばれる「現実→空想→現実」という海外の空想的物語によく見られる構成を初めて試みたものでした。

それまで日本では、説話的空想物語を別にすれば、小川未明の詩的メルヘンや宮澤賢治の独特な空想世界がある程度で、この分野はきわめて貧しいものでした。

・・・新学期の朝、目が覚めると、お母さんはお兄ちゃんを連れて出かけていた。置き去りにされた悔しさにノンちゃんは泣いていたのでした。けれども雲の上でこの出来事を話すにつれて、悲しみはやがて家族への愛に変わるのでした。・・・

「石井桃子」1907~2008

児童文学作家、翻訳者、編集者。

文藝春秋社に勤めたのち、1934年~36年にかけて、新潮社の「日本少国民文庫」の編集を担当。

1940年、最初の翻訳書ミルンの「くまのプーさん」を岩波書店より出版。その後、1949年まで宮城県に疎開。

1950年、岩波少年文庫の編集長に就任、53年からは岩波のこどもの本の編集長も兼ねながら、作家として多数の児童書を出版する。

主な訳書「トム・ソーヤの冒険」「ピーター・パンとウェンディ」「うさこちゃんシリーズ」「ピーターラビット」など。

石井桃子は戦後日本の児童文学を支えました。とりわけ児童文学は面白くなければならない、という考えを普及した功績はきわめて大きなものがあります。

たくさんの英米の児童文学の翻訳に携わる人生の途中、日本は戦争に突入していきます。「敵性国家の本」という理由で出版してもらえない情勢のなか、生活も危ぶまれ、友人を頼りに宮城県鷲沢町に入植して開拓に従事することとなります。戦争中、出版のあてがないまま書き続けたのが「ノンちゃん雲に乗る」でした。

「ノンちゃん雲に乗る」が特筆される最大の価値は、空想的物語の一つの「型」を初めて提起した点です。

石井桃子さん 75歳の時のインタビューより

「あのころ、子どもたちは忠君愛国ばかり聞かされて・・・」

「そう、戦場へ向かわなければならない青年たちが読んで心和むようなものを書きたかったのね。それが、「ノンちゃん雲に乗る」だったのよ。」

ルビーの靴 画像

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