【うみなつ珈琲】/『コーヒー・ハウス』

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うみなつ珈琲

☕️【うみなつ珈琲】

🧀スコーン:グリュイエールチーズ

🍺ビール:ハートランド

🧊アイス珈琲:うみなつブレンド

☕️うみなつ珈琲さんにて。珈琲の香りに包まれ、本に囲まれる時間。優しい場所。

こちら美味しい珈琲とスイーツ、スコーンがいただけるお店です。スコーンといえば紅茶を思い浮かべますが、珈琲との相性も良いもの。そして、こっそりと控えめがちに「お酒」があります。スコーンは「ビール」とも合います。チーズがかかりドライトマトが載せられたスコーンと、緑のボトルが印象的なハートランドビール。表面のエンボスを指先で感じながら、ボトルを透かして見える光景にノスタルジックな異世界を想います。ビールの後にアイスコーヒー。何となく海外で過ごしているように思えてきます。

☕️うみなつ珈琲さんには、色々な本があります。好きな世界に溶け込むのもいいし、知らない世界を本から教えてもらう期待もある。いい感じです。ここでは「うみなつ珈琲」さんならではの「本の世界」がある。自分から立ち入らずに、その空気を受け止めていたいと思います。いつも僕は、物語という人々が創作した世界の作品を書き込むことが多いのですが、今回は知識の書き込みにしようかな、と。

「スコーン」

スコットランド発祥といわれている速成パン。速成パンとは、酵母や常在菌の発酵による膨張ではなく、化学的な膨張剤で膨張させたもの。バナナブレッド、ビスケット、マフィン、パンケーキなども速成パンの一種です。イギリスでは午後4〜5時頃に紅茶と共に軽食や菓子を喫食する茶会があり「アフタヌーンティー」といいます。なかでもスコーンを食べながら紅茶を飲む様式は「クリームティー」といいます。

「グリュイエールチーズ」

スイス・グリュイエール地方原産のチーズ。チーズフォンデュやラクレットによく使われるほか、フランスではグラタンやクロックムッシュ、オニオングラタンスープなどの調理用によく用いられています。

☕️・・・そして。「珈琲」の世界へ・・・。

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コーヒー・ハウス

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📕『コーヒー・ハウス』

都市の生活史-18世紀ロンドン

小林章夫(イギリス文学者)

1984年

「さまざまな意見の人たちが、コーヒーの香りと紫煙の中で、政治を論じ、権力を批判する。」

17〜18世紀にイギリスで繁栄を見せたコーヒー・ハウス。そこは多くの市民が集う情報交換の場所でした。政治を論じ、権力を批判する「市井サロン」であり、そこから新聞などの近代ジャーナリズムが育まれていきました。喫茶店の原型、欧州カフェ文化の先駆であるコーヒー・ハウスが英国、そして世界へ与えた多大な影響を、作者はこの本で多数の資料から読み解いています。イギリス人というと紅茶のイメージが強いのですが、それはインドを植民地化した以降のことで、元来はコーヒーの国でした。英国初のコーヒー・ハウスがオックスフォードにオープンしたのは1650年。その2年後にはロンドン初のコーヒー・ハウスが開店。18世紀初めにはイギリス全土で2000店にも達したといいます。政治議論の場として文学者が集い、ジャーナリズムを育みました。また、経済活動の中心であった王立取引所周辺のコーヒー・ハウスでは、商人たちが商売の情報交換を行なっていました。店内で巻きたばこが販売され、実際の取引や船舶の競売まで行なっていたといいます。コーヒー・ハウスには貴族や政治家に加え、ニセ医師や詐欺師までが集いました。ここが陰謀の温床となるのを恐れたイギリス当局は、スパイを送り込み人々の同行に目を光らせました。

1688年頃、エドワード・ロイドがロンドンのタワー・ストリートにコーヒー・ハウスを開店します。貿易商や船員などが屯するようになり、ロイドは顧客の為に最新の海軍ニュースを発行するサービスを始めました。店は繁盛すると同時に手狭になり、ロンバード・ストリートへ移転すると、次第に保険引き受け業者が集まるようになりました。小さなコーヒー・ハウスから始まったこの会社、世界最大の保険会社ロイズです。ロイズの本社建物の一階には鐘(ルーティンベル)が置かれており、海難事故の発生を報せる役割を果たしていました。タイタニック号沈没(1912)の際にも、この鐘は鳴らされました。

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想うこと

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カフェの世界の成り立ちは、少しキナ臭い「人間の強欲」。でもそれがあっての「人間」で、これまでの「(ざんねんな)人間」の歴史でもある。イギリスではその後コーヒー・ハウスが減少、そしてティー・ハウスが台頭していき、紅茶文化が定着する。また、フランスのカフェでは「コーヒーの毒性」を和らげる為に牛乳を入れる「カフェ・オ・レ」が考案される。

「珈琲」という飲み物は、利益を生み出す。時に一国の経済を脅かす。

「眠気覚まし」の効果は大きい。人々に勇気とチカラを与える。

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急速な経済構造の改革と、反対派に対する厳しい弾圧を国民に強いた後、ポーランドに侵攻して第二次世界大戦を起こしたソビエト連邦。このソビエト連邦からコーヒー・ハウスを無くしてしまったスターリン(1879〜1953)は、市井のサロンの可能性をよく理解していたといえます。その証拠に、コーヒー・サロンが残されたバルト三国では、やがてそこが陰謀の場へと発展していったのでした。

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今日の書き込みのきっかけ。

「うみなつ珈琲」さんで、ふと手に取った「ざんねんないきもの事典」。過ごしている間に読了したのです。児童書のジャンルですが面白い。少しのいたずら心で「珈琲」と「(ざんねんな)にんげん」を繋げてみました。

人々がいいところに集まっていたら、世界はもっとやさしくなったのに、と思いながら。

「うみなつ珈琲」さんには、美味しい珈琲も、美味しいスコーンもある。数々の素敵な本と、人々がゆっくり過ごす時間がある。

・・・「ざんねんな、僕」にはならないように、また来よう。

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うみなつ珈琲 画像

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