the heavy moon/竹取物語

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千曲市屋代2096

(coffee) the heavy moon 026-400-5299
(coffee) the heavy moon · 〒387-0007 長野県千曲市屋代2096
★★★★★ · コーヒーショップ・喫茶店

こんばんは。日曜日の夜です。

週末に訪れた「the heavy moon」さんの振り返り投稿です。

2022/2/22 オープンされたばかりのcafeです。ようやく訪れることができました。

お店の姿を確認して近づいていくと、目の前を歩いていた下校中の小学生の二人が、窓に近寄っていきました。そのまま窓越しに声掛けしたようです。店内から、カウンター越しにオーナーさんが答えていました。オープンから一年も経過していないのに、もう、下校途中に挨拶や会話ができる関係になっていて、地域に馴染んでいるんだ、と感心しました。自分の小さい頃にこんなcafeがあったら、嬉しかったな、と思いました。タイミングをみて入店しました。カウンター席で「コーヒー」と「アレンジトースト(生ハム&ルッコラ)」をいただきました。コーヒーはエスプレッソからの「アメリカーノ」でした。柔らかな味わいと優しい温かさです。アレンジトーストはプレートへのデコレーションが綺麗で、見た目共々、美味しくいただきました。ありがとうございます。しばらくして、お客さまがみえられたので、オーナーさんとはあまり会話ができなかったのですが、お店のメニューと店内装飾の整然さから、人柄やcafeへの想いを窺い知ることが出来たように思います。次回はゆっくりとお話を伺いたいものです。なんとなくですが、オーナーさんが理想とするcafeは・・・。わかったような。それも聞いてみたい。もうひとつ・・・お店の名前に「月」が入っている由来も。

人はみな、理想を持っています。ですが「無」からは何も生み出す事はできない。感銘を受けたもの、読み聞かせてもらった絵本、言葉、記憶・・・。それらが「種」となって自分というものが決まる。理想となる。そこからアレンジをして創作をして、理想を実現させる。ただ真似をしたり検索に頼る人の理想は、とても薄い。他者に感動を与えることができないし、それすら気がついていない。「ただ知っているだけ」の人にならないようにと日々思う。

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「竹取物語」(作者不詳・正確な成立年も未詳)

・・・

いまはむかし、たけとりの翁といふものありけり・・・

・・・

その竹の中に、もと光る竹なむひとすぢありける・・・

・・・

竹取物語は平安時代前期に成立した、仮名で書かれた現存最古の物語です。舞台は大和国の飛鳥、藤原の地。神話や伝承であった「昔話」がこの竹取物語の成立をもって「物語」になりました。語り手の創意工夫により物語文学が誕生したといえます。

それまでの伝承では、異世界の女性が地上で数年過ごし、再び異世界へ帰るという話のが一般的でした。これを「天人女房型説話」といいます。竹取物語では完全にその話型に従っていません。かぐや姫は地上の男性と結婚をしません。飛行の道具には「車」が用意されています。「天の羽衣」は人間らしい心を無くさせるものとして登場します。さらにかぐや姫は天ではなく「月」に昇天します。太陽と違って「死」の影が色濃い世界です。

これらの違いは、伝承の枠組みを利用しつつもそこから一歩踏み出して、新しい話を創作しようとした跡と観ることができます。かぐや姫を諦めきれずに身を滅ぼす五人の求婚者たち。月への帰還を阻止しようと大軍を用意する帝や翁たち。人間模様も描かれています。

世界各地に存在している「羽衣伝説」の伝承では天女は白鳥と同一視されているものが多くあります。湖水に白鳥が降り立ち、女性の姿になり水浴びをしている間に、男性が衣服(羽衣)を隠してしまい、白鳥(天女)は帰れなくなる。人間が異界の者と結婚をするという「異類婚姻譚」「天人女房型説話」の伝説です。「羽衣伝説」と違って、かぐや姫は結婚はしませんでした。

かぐや姫が竹中から生まれた「異常出生説話」

かぐや姫がみるみる成長した「急成長説話」

かぐや姫によって富が栄えた「致富長者説話」

かぐや姫が求婚者へ難題課す「求婚難題説話」

かぐや姫が帝の求婚願を拒否「帝求婚説話」

かぐや姫が月へもどっていく「昇天説話」

富士山の地名由来を説明する「地名起源説話」

創作者は伝承を継ぎ接ぎせずに、伝承を利用しながら自由な想像力で竹取物語を誕生させたのです。現実的な貴族の求婚や帝の求愛を主軸としながらも、一方では貴族社会への批判も込められています。また、人々の性格や、心理、苦悩までもが描かれています。

かぐや姫と翁、嫗の間に流れる愛情の美しさはとても清くて胸を打ちます。かぐや姫は手紙を書き、不死の薬を添えて渡す。すると天人がさっと天の羽衣をかぐや姫へ着せる。かぐや姫はこれまでの記憶と、そして寸前まで翁、嫗を痛ましく愛おしいという感情をも無くしてしまう。

思うこと

「竹取物語」では「天の羽衣」は人間らしい心を無くさせるもの。

ただの空を飛ぶ道具ではない。

僕たち地上にいる人間は、辛い世界から「天」を見上げて「天」に憧れている。

「天」に行く方法をずっと探し求めて、山の頂を目指したり、精神的な修行をしている。

世界中の宗教は、どれも「死」の不安を和らげ「天」への道を模索することから始まっている。

「天」は豊かな世界なのだろうか。「月」のように灰色の世界ではなかろうか。

・・・

「天の羽衣」がなければ行けないところが「天」であって、

悲しいことに、「天の羽衣」が地上との繋がりを消してくれる。

・・・

そんなに地上は「穢い所」なのか。

青白い月の世界に住む「かぐや姫」に会って確かめてみたい。

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