scirocco
シロッコ ピザ&ワイン酒場 026-223-1551scirocco
ピザ&ワイン酒場 シロッコ
長野市大字南長野北石堂町1411長宮ビル1階
休日の夜に訪れました。いつもは昼間にフラリと訪れてワインを頂いているのですが、この日は満席に近く、賑やかな店内でした。席の都合上、カウンター端のピザ窯に近いところに座ったので、ワインではなく冷たいものを頂きました。距離があるとはいえ、常に熱風を感じていました。こちらのお店の名前を具現化したような位置。スミノフウォッカがより一層美味しく感じます。お店のホームページに名前の由来、コンセプト、がちらり。「風」に触れています。そちらもぜひ。
シロッコとは、初夏にサハラ砂漠から吹き地中海を越えてイタリアなどに到達する南風または南東風。北アフリカでは乾燥しているが、地中海を越えた後のイタリア南部到達時には高温湿潤風となります。
そして、スタジオジブリ。このジブリの綴りは「GHIBLI」、サハラ砂漠に吹く熱風を意味するイタリア語です。第2次世界大戦中に使用されたイタリアの軍用偵察機の名前でもあり、飛行機マニアの宮崎監督が命名しました。日本のアニメーション界に熱風を起こそうという思いを込めたネーミングだそうです。なお、本来イタリア語では「ジブリ」ではなく「ギブリ」と発音するのが正しい。
飛行機、サハラ砂漠といったキーワードから連想するのは、もちろん「星の王子さま」。児童文学作家さんの世界に嵌っていたことがありまして。やはり、岩波書店の「内藤濯」訳のものが一番好きです。フランス文学者であった内藤濯さんが、石井桃子さんから「おもしろいから」と勧められて訳した、というエピソードが好きで、それを踏まえながら何度も読み返しています。
星の王子様
オリジナル版 星の王子さま [ サン=テグジュペリ,A. de ] 価格:1,100円 |
📔【 星の王子さま 】
1943年刊
🖌 サン=テグジュペリ
「 かつて子供だったことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない 」
📖 六年前のことの話。僕の操縦する一人乗りの飛行機が故障して、サハラ砂漠に不時着した。一週間分の水しかなく、修理するも、なかなか直らない。翌朝、男の子に起こされ、ヒツジの絵を描いてと頼まれた。彼は、一人で住む小惑星から来た王子で、世話をしているバラのわがままに耐えられずに宇宙の旅に出て、地球にやってきたところだった。
📎 常に孤独と死と向き合っている飛行士の生活がよほど性に合ったのか、サン=テグジュペリは一生涯、操縦桿から手を離すことがありませんでした。「星の王子さま」で不時着したのがサハラ砂漠だったという設定も、執筆から数えて七年前の二十七歳のときの経験に基づいています。(リビア砂漠に墜落して一命を取り留めたこともある。)民間郵便飛行に携わる傍ら「夜間飛行」などの作品を発表、第二次世界大戦中は偵察部隊に配属されます。
📎 1944年7月31日、コルシカ島からドイツ軍の偵察飛行に出て消息を絶つ。
📎 2003年になって偵察機の残骸がマルセイユ沖の海底から回収された。
📎 彼の人生の全てが「星の王子さま」に結晶しているのです。
お酒を飲みながら、想いに耽る。賑やかな酒場で美味しくいただけるのも「平和」であってこそ。平和を感じる一方で、ニュースを思い浮かべると悲しくなる。この地球上ではずっと悲劇が絶えない。人間は「戦争」をしたがる生き物。知恵が詰まった書物のチカラでは平和にならない。美しい平和を見つけるのは大変だ。空にも砂漠にも無かったから、サン=テグジュペリは・・・一本の木が倒れでもするように・・・「消えて」しまったのかもしれない。
答えは「砂漠」から吹いてくる「風」の中にある。
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