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お店:☕️【Sunday Life Coffee】
書物:📗『押し絵と旅する男』(江戸川乱歩)
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☕️【Sunday Life Coffee】
長野市南長野南県町477-1
🥪ホットサンド
☕️コーヒー
🍎アップルパイ
仕事の合間に「サンデー」さんで休憩です。
先客さま「ウェールズ🏴」出身の方がいて、壁に国旗を描かれていました。時折りスマホでチェックをされていました…難しい国旗ですね。書き終えたとき、拍手をしてしまいました。ウエールズか…「アーサー王伝説」ですね。空想でしか知らない地球上にある国。…その方が帰り、奥の女性の方とオーナーさんと、三人で色々とおしゃべり。とりとめのない話なのですが、まとめると、いいことと、不思議なこと。そしてそれらは「起きたこと」。先のことはわからないし、予測するだけでは何も動かない。でも「起きたこと」は事実なので、そこから広がる話は、僕らの未来を方向づけているのだと思う。いい方向に向かっているのです。
この時間を、もう少し、と思って「僕も何か甘いもの…」。ところが、女性が頼まれたアップルパイが今日最後のひとつだった。それはしょうがない。僕が欲張っただけのこと…。「半分にしましょう、いかが?」…その女性の方から「幸せ」のお裾分けをいただきました。ありがとうございます。もうカフェ友さん。いつかの次回、何かご馳走させてくださいませ。
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サンデーさんの壁には、国旗だけでなく、色々な「メッセージ」や「絵」がある。僕は、そこへ記せるようなものは何も持ち合わせていない。見ているだけ。それでも心惹かれて「絵」の世界に入ってしまいそうになる。文字には特に注意をしている。僕は、何か書き込んで、本や文章の世界へ行ったきりになってしまいそうな、あやしく不安定な心の持ち主なのです。
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この世界の「幸せ」は分け与えるもの。
僕だけが幸せになるということは、…僕は、もうこの世界に帰って来れなくなる、ということを知っている。…本当は、「夢の世界」へ行く方法も知っている。誰かに双眼鏡をさかさまに覗いて自分を見てもらうのだ…そうすれば、僕は双眼鏡の中で小さくなり…。
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📗『押し絵と旅する男』
江戸川乱歩 1929
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この話が私の夢か私の一時的狂気の幻でなかったならば、あの押絵と旅をしていた男こそ狂人であったに相違ない…。
魚津へ蜃気楼を見に行った帰りの汽車のなか。親不知の断崖を通過する頃、車内の電燈と空の明るさとが同じに感じられた程、夕闇が迫って来た。「私」は、古臭い紳士の格好をした60歳とも40歳ともつかぬ男が、車窓に絵の額縁のようなものを立てかけているのを奇異な目で見ていた。男はそれを風呂敷に包んで片付けた。…目が合った。私は怖さに引き寄せられ、男の前の席に腰掛けると、男はこちらの心を見透かすかのように風呂敷の中身を見せてくれる。それは洋装の老人と振袖着た美少女の押し絵細工だった。背景の絵に比べその押し絵のふたりが生きているようなので驚いてる「私」に「あなたなら分かってもらえそうだ」と男はさらに双眼鏡でそれを覗かせる…。…「いけません。いけません。それはさかさですよ。さかさに覗いてはいけません。いけません」 老人は、真青になって、目をまんまるに見開いて、しきりと手を振っていた。双眼鏡を逆に覗くことが、何ぜそれ程大変なのか…。押し絵細工のふたりの「身の上話」を男は語り始める。
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それは35,6年も前、男の兄が25歳のとき、浅草に「浅草十二階」(凌雲閣)ができた頃の話。ふさぎがちになった男の兄が毎日、双眼鏡を持って出かけるので、あとをつけてみたら、男の兄は「浅草十二階」に登って、双眼鏡を覗いていた。声をかけると男の兄は片思いの女性を覗いていたことを白状する。
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1927年、江戸川乱歩は自己嫌悪に陥り、休筆を決意して放浪の旅に出た。この際、蜃気楼を見るために魚津を訪れたことが、本作の下敷きとなった。当時、『新青年』編集長だった横溝正史は、同誌の新年号の呼びものとして乱歩の作品を掲載したいと考え、渋る乱歩を放浪先の京都まで出向いて口説き落とし、乱歩が名古屋を訪れた際に原稿を渡す、という約束を取りつけた。ところが、約束の日に正史が出向いたところ、乱歩は書けなかったと返答した。乱歩と正史は名古屋のホテルに一緒に泊まったが、そこで乱歩は正史に、実は原稿を書いてはいたのだが、内容に自信がないので出しかね、たった今便所の中に破って捨てたと告白し、正史をくやしがらせている。このとき廃棄された原稿が、『押絵と旅する男』の原型となった作品だった。のち、編集長が延原謙に交替したのち、あらためて執筆されたのが本作である。
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僕は、よく「夢」を見る。いつも怪しい謎や暗い秘密に心惹かれている。もちろん、この現実世界と夢は繋がらない、ということを夢に失望した回数分、知っている。…だが、「夢」が時として、どこかこの世界と喰違った別の世界を、チラリと覗かせてくれることがある。蜃気楼のように不可思議な大気のレンズ仕掛けを通して、一刹那、この世の視野の外にある、別の世界の一隅を…僕らは隙見することがある。
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…(老人は)…押絵の額を、ソッと黒い風呂敷に包むのであった。その刹那、私の気のせいであったのか、押絵の人形達の顔が、少しくずれて、一寸恥かし相に、唇の隅で、私に挨拶の微笑を送った様に見えたのである…。
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「うつし世はゆめ、夜の夢こそまこと」
「人間に恋はできなくとも、人形には恋ができる。人間はうつし世の影、人形こそ永遠の生きもの。」
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見続けている「夢」。僕は、いくつかの夢幻的な出来事を体験している。そしてそれを語り終えると、もう、次の夜の夢を始めている。
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