Sunday Life Coffee /壺中天(中国故事)

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Sunday Life Coffee

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本日の焼き菓子「アップルクーヘン」と「バレルエイジドコーヒー」。

バレルエイジドコーヒーとは、コーヒー生豆をウイスキー樽(バレル)に一定期間貯蔵して寝かせ(エイジド)、ウイスキーの香りをつけたコーヒーのことです。ウィスキーの種類は「スコッチ」。好きなウィスキーです。コーヒー豆の袋を開いたところ、ミルをかけたところ、と折々で香りを楽しまさせていただきました。ウィスキー特有のスモーキーな香り。面白いコーヒーですね。美味しくいただきました。

ウィスキーの樽には「天使」が住むという。ウィスキーが樽の中で熟成を重ねている間に、少しずつ減っていく。「天使」がこっそりと飲んでいるから美味しいウィスキーが出来上がる。「天使の分前(Angel’s share)」といいます。

バレルエイジドコーヒーもきっと天使が美味しくしてくれている。樽の中を覗き込んでみたい。きっと誰かいる。「Sunday Life Coffee」さんの場合は「仙人」だと思います。同席させていただいた常連さんの会話から、何となく。「天使」ではなく「仙人」。

壺中天

壺中天(こちゅうてん)

《後漢の費長房が、市中に薬を売る老人が売り終わると壺の中に入るのを見て一緒に入れてもらったところ、りっぱな建物があり、美酒・佳肴 (かこう) が並んでいたので、ともに飲んで出てきたという。俗世間を離れた別世界。仙境。また、酒を飲んで俗世間を忘れる楽しみをいう。《「後漢書」巻82下 方術列伝の故事から》

「後漢書」(中国後漢期について書かれた歴史書)より

『費長房』

費長房者,汝南人也。曾爲市掾。市中有老翁賣藥,懸一壺於肆頭,及市罷,輒跳入壺中。市人莫之見,唯長房於樓上睹之,異焉,因往再拜奉酒脯。翁知長房之意其神也,謂之曰:「子明日可更來。」長房旦日復詣翁,翁乃與俱入壺中。唯見玉堂嚴麗,旨酒甘肴,盈衍其中,共飲畢而出。翁約不聽與人言之。後乃就樓上候長房曰:「我神仙之人,以過見責,今事畢當去,子寧能相隨乎?樓下有少酒,與卿與別。」長房使人取之,不能勝,又令十人扛之,猶不舉。翁聞,笑而下樓,以一指提之而上。視器如一升許,而二人飲之終日不盡。

「初夢」多田智満子

この中国の故事にヒントを得て作られたと思われる詩があります。

多田智満子さんの「初夢」という詩です。

「初夢」

多田智満子

除夜の鐘をききながら

金色のみかんの皮に指を立てると

押し返すようにして老人が破れから首を出した

-ちょっとまあおはいり 中はあたたかい

(でもどうやってはいるの?)

穴をのぞきこむと頭から吸いこまれて

気がつくとみかんのなかにすわっていた

・・・・・

(中略)

・・・・・

初日にめざめるとわたしのからだは

まぶしい金色のかおりに染まっている

詩集『祝火』1986より

Sunday Life Coffee 思うこと

Sunday Life Coffeeさんのお店。

・・・・・

小さな空間に入り込む。

そこにはブレンドコーヒーを愉しむ仙人がいる。

仙人は、バレルエイジドコーヒーの入った袋を覗けと言う。

覗き込んでみると、中に仙人がいて手招きをしている。

小さな空間に入り込むと音楽を愉しむ仙人がいる。

仙人は、バレルエイジドコーヒーの入った袋を覗けと言う。

覗き込んでみると、中に仙人がいて手招きをしている。

小さな空間に入り込むと映画を愉しむ仙人がいる。

仙人は、バレルエイジドコーヒーの入った袋を覗けと言う。

・・・・・

小さな空間に、無限の宇宙。

Sunday Life Coffee 画像

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